2022年6月22日 09:00
あさレポ
鈴与シンワート
https://suzu1.shinwart.com/asarepo/
携帯デバイスとクラウドを活用した安全運転支援サービスを提供開始
2022年10月、道路交通法施行規則の改定により、物流や運輸業だけでなく、自社の荷物や人を運ぶ「白ナンバー車」を保有する事業者に対して、運転前点呼やアルコールチェックが義務化される。具体的には「運転前後に酒気帯びの有無を目視確認」「アルコール検知器を使って確認」「確認記録を帳簿やデータで1年間保存」、そして「正常機能するアルコール検知器を常備」が義務化。実施しなかった場合、安全運転管理者の解任や5万円以下の罰金が科せられる。
無論、これらの義務を怠り、万が一、事故などを起こした場合には、社会的信用を大きく失墜させてしまうことになる。なお、ドライバーの運転前点呼やアルコールチェックは、事務所等に出社し対面での目視が原則となるが、出張や直行直帰への対応、昨今の感染症対策の観点から、携帯型アルコール検知器、およびカメラ、モニター等によるチェックでも、対面に準じる方法とされている。
こうした動向に対応し、鈴与シンワートが提供を開始したサービスが「あさレポ」だ(図1)。「その特長は、携帯可能な小型デバイスを用いてアルコールチェックと検温が可能であること、そしてスマフォアプリとBluetooth経由で連携し、測定結果を即座にクラウド上のサーバに自動アップロードするなど、簡単に運用が行えることにあります」と、サービステクノロジー事業部 副事業部長の長倉正彦氏は説明する。
実際の利用方法は、専用のスマフォアプリを起動させ、あらかじめ登録した顔写真をベースにAIによる顔認証でログインをする。認証完了後、測定時間を打刻し、検温を開始する。専用デバイスを額や手首に当てて検温し、完了したらアルコール呼気を測定。息を吹きかけて正常値が表示されれば測定完了となる。もし異常値が計測された場合には画面と音、振動で通知。さらに測定結果は自動的にクラウドサーバに送信される。異常が検知された場合には、管理者にメール等で即時通知される。この結果を基に、交代運転手の手配を行う等、迅速な対処が可能となる。
「AIによる顔認証を行うため、なりすましも防止できます。また、デバイスもバッテリーにリチウム電池を採用した充電式であり、USB TYPE C経由でいつでもどこでも充電が可能であるため、バッテリー切れで使えないといったこともありません」と長倉氏は説明する。
さらにあさレポの特筆すべき点は、定額料金プランだけでなく、従量課金プランも提供していること。長倉氏は、「これにより、月に2,3回しか業務で運転をしない従業員に対しても、コストを抑えながらアルコールチェックや検温が可能になります」と話す。
これらの機能やサービスは、鈴与シンワートのグループ物流企業からの要望をヒアリングしたうえで実装されたものだ。「今後も現場からのニーズに基づき、車両管理システムとの連携も可能なサービスなど、利便性の高い、安全運転を支援するソリューションを開発していきたいと考えています」と長倉氏は意欲を見せる。
ベアメタルPCと電子押印サービスでより高度なテレワークの推進を支援
これまで説明してきたように、あさレポは感染症対策やドライバーの働き方改革にも有効なサービスとなる。さらに鈴与シンワートは、社員の感染症対策や働き方改革を推し進めるための多彩なソリューションを提供している。その1つが、「S-PortベアメタルPCサービス」だ(図2)。
同サービスは鈴与シンワートのS-Portデータセンター内に設置されたベアメタルPCに対して、私有のPC等を用いて自宅や外出先からリモートでアクセスし、業務アプリケーションやクラウドサービスのセキュアな利用を実現するもの。画面転送方式の採用によりローカル側のPCにデータが残らず、かつ、証明書で認証されたデバイスしか業務システムにアクセスさせないため、テレワークにおけるセキュリティの大幅な強化が可能となる。
感染症対策を目的にテレワークを実施する企業が一気に増えたが、「テレワークが可能な環境の整備に精いっぱいで、通常業務を行えるような段階まで至っていないケースが少なくありません」と、データセンター事業部 シニアスペシャリストの髙橋正和氏は話す。
S-PortベアメタルPCサービスは、リモート側のPCにファイヤウォール機能や既存環境と接続するためのVPN機能もバンドルされているほか、10台程度の小規模導入であっても低価格で提供できるため、従来仮想PCなどの導入に手が届かなかった中小企業でも堅牢なセキュリティを確保しながら、より高性能なPCでテレワーク環境が実現できる。さらに鈴与シンワートの「S-Port X(クロス)コネクト」を併用することで、自社オンプレミス環境に加え、「アマゾンウェブサービス(AWS)」や「Microsoft Azure」といったクラウドサービスともセキュアで高パフォーマンスな接続を行える。これにより、テレワーク環境であってもオフィスにいるのと同等の業務環境を構築できる。
「最近では既存テレワーク環境の増強に際して、本サービスを採用するなど、活用シーンも広がりを見せています。今後はID連携や様々なSaaSとの連携も拡充し、さらに利便性の高いテレワーク環境の実現を支援していきたいと考えています」と髙橋氏は意欲を見せる。
さらに鈴与シンワートは、テレワーク推進の障壁の1つとなっていた、押印・申請業務のリモート対応を可能とする電子印鑑アプリ「Biz-Oin」も提供している。今回、Microsoft Teamsに対応したほか、ビジネスユースでの利用に必要な機能の追加が図られた。具体的には、受信した承認依頼を却下する機能をはじめ、社印や役職者印等を利用できる機能、各ユーザーの印鑑登録を管理者に限定する機能、さらにオプションとして、押印した文書を5年間保存する機能等が追加されている。
長倉氏は、「市場には多くの電子押印サービスが提供されていますが、導入コストが高額で運用の難易度も高いケースが少なくありません。Biz-Oinはビジネスで必要不可欠な機能を容易な操作性とリーズナブルな価格で提供しています。中堅・中小企業でも気軽に利用できるソリューションであり、今回 Microsoft Teamsに対応したことで、さらに導入や展開も簡単に行えるようになりました」と強調する。安全運転の支援から、セキュアで利便性の高いテレワーク環境の実現まで、鈴与シンワートは昨今の企業が抱える様々な課題解決を多彩なソリューションの提供によりサポートしている。
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