クラウド&データセンター完全ガイド:データセンターサービスガイド

物理サーバの柔軟な活用を実現するクラウドサービス――鈴与シンワートの「S-Portベアメタルサーバ」

弊社刊「クラウド&データセンター完全ガイド 2019年冬号」から記事を抜粋してお届けします。「クラウド&データセンター完全ガイド」は、国内唯一のクラウド/データセンター専門誌です。クラウドサービスやデータセンターの選定・利用に携わる読者に向けて、有用な情報をタイムリーに発信しています。
発売:2018年12月22日
定価:本体2000円+税

S-Portベアメタルサーバ
鈴与シンワート
https://s-port.shinwart.com

企業のITインフラとして、いまやクラウドサービスの活用は当たり前のものとなった。その利用シーンも多方面に広がっており、より優れたパフォーマンスの実現や柔軟なマルチクラウド/ハイブリッドクラウドの構築など、クラウドサービスへの要求も多様化している。そうした声に応えるため、鈴与シンワートが提供を開始したのが、「S-Portベアメタルサーバ」だ。物理サーバをクラウドサービスとして提供することで、企業が求める高度かつ多彩な要件に柔軟に対応する。

クラウドサービスで物理サーバを提供「S-Portベアメタルサーバ」

 企業におけるクラウドサービスの活用はいまや普遍的なものとなり、その利用シーンは様々な領域へ広がり続けている。特に近年ではIoTやAIによるビッグデータ分析をはじめ、動画処理等、さらに高い処理能力が要求される用途へのニーズが急増している。

 そうした動向を捉え、2018年2月から鈴与シンワートが提供を開始したのが、「S-Portベアメタルサーバ」だ(図1)。S-Portベアメタルサーバは、クラウドサービスとして物理サーバを提供することで、通常のクラウドサービスでは不足しがちなパフォーマンスへの要求に応えるものだ。ソリューションカンパニー ITサービス基盤事業部 クラウドサービス部 担当部長の髙橋正和氏は、「高パフォーマンスへの対応だけでなく、物理サーバを利用することで散在した仮想環境の統合、プライベートクラウドやハイブリッドクラウドの構築、クラウドサービス上での自社所有ソフトウェアライセンスのコスト抑制など、企業の様々な要望に応じて自由に活用できる点が特徴です」と説明する。

図1 物理サーバリソースを占有してハイパフォーマンスを確保

ベアメタルサーバの導入・運用をトータルでサポート

 それでは、S-Portベアメタルサーバの特徴について見ていこう。サーバのメモリ容量は64GBと192GBから選択できるほか、ディスクもSSD 480GB×2(RAID1)を提供する。ネットワークインタフェースも10GbEの高速ネットワークを用意しており、ビッグデータの活用やデータベースレプリケーションといった増加傾向にあるサーバ間通信のボトルネックを軽減する。こうした充実したスペックに対して月額10万円~という低料金もポイントの1つ。

 また、「マルチリージョン」対応により、鈴与シンワートが運営する複数の「S-Portデータセンター」から収容先が選択できるので、ベアメタルサーバの分散運用も可能だ。加えて、鈴与シンワートの「S-Port Cloudサービス」とのサービス間接続のほか、オンプレミスや他社パブリッククラウドサービスとの接続も可能な「S-Port X(クロス)コネクト」を組み合わせれば、オンプレミスも含めたハイブリッドクラウドの環境構築が容易に行えるようになる。

 このほか、運用面においてもサーバ、ネットワーク機器等の物理機器の導入・構築と24時間365日の監視・運用を鈴与シンワートが対応するので、運用管理にまつわる負荷やコストを抑制できる。これらのインフラ構築をはじめ、ソフトウェア開発、業務パッケージの導入についても、鈴与シンワートがワンストップで対応できるため、ベアメタルサーバを軸とした多彩なシステム構築が可能だ。

 ソリューションカンパニー ITサービス基盤事業部 営業部 課長の鈴木岳生氏は「鈴与シンワートにはマネージド型のクラウドサービスを提供してきた実績に加え、長年、培ってきたシステムインテグレーションの経験とノウハウがあります。クラウドサービスだけでなく、業務パッケージの導入や、Active Directory、ファイルサーバといったバックエンドシステムの構築も含めて1社で対応できる点が、競合他社に対する大きな強みであると自負しています」と訴える(図2)。

図2 鈴与シンワートが提供するソリューションの全体図。インフラ構築から業務パッケージまでワンストップ導入が可能

ハイブリッドクラウドも容易に構築が可能

 S-Portベアメタルサーバだが、サービスの提供開始以来、多くの引き合いが寄せられているという。主な活用例として、ビッグデータや動画処理といった、より高いパフォーマンスが要求される業務での利用のほか、仮想基盤上のソフトウェアライセンスコストの抑制等が挙げられる。このほかにも、グループ会社など、複数の企業に対して人事給与業務等のアウトソーシングを行う、シェアードサービスの基盤としても活用が可能だ。

 「ベアメタルサーバ上に仮想サーバを複数構築し、それぞれで異なる企業の人事給与システムを稼働させるという使い方です。これまではオンプレミスで行ってきた業務をクラウドサービスでセキュアに、かつ、運用管理の手間を抑制しながら行いたい、というご要望を持つお客様は少なくありません。そこで専有型のS-Portベアメタルサーバを利用する一方、クラウドサービスではなくデータセンターにストレージシステムを設置し重要なデータを保護する、といった両者を組み合わせて使うケースも増えています」(髙橋氏)

 ハイブリッドクラウドの構築にも有効だ。鈴木氏は、「先の例と同様に、データベースをS-Portベアメタルサーバ上で構築しセキュリティを確保しつつ、Web/アプリケーションサーバはクラウドサービスを用いる、といった構成も容易に実現できます」と説明する。

 今後の展望について髙橋氏は、「ベアメタルサーバの利用の裾野を広げるためにも、選択できるメモリ容量やネットワークの帯域幅についてメニューを増やしていきたいと考えています。またストレージとの組み合わせによるデータ保護機能の拡充や、遠隔地バックアップサービスの展開も検討しています」と述べる。

 S-Portベアメタルサーバがラインナップに加わったことで、企業の課題を解決するためのソリューションをまた1つ拡充した鈴与シンワート。今後もインフラからアプリケーションまで、さらにサービスを拡充し、多様な顧客ニーズに応えていく構えだ。鈴木氏は、「最近では、セキュリティ機能や管理機能を強化したビジネス向けのチャットサービス『TAGS』の提供も開始しています。Bot連携により他のグループウェアやメール、SFAやワークフローとの連携も可能です。このように今後もソリューションを拡充し、かつ、組み合わせて提供することで、お客様が抱える課題をトータルで解決してきたいと考えています」と力強くアピールした。

鈴与シンワート株式会社 ソリューションカンパニー ITサービス基盤事業部 クラウドサービス部 担当部長 髙橋正和氏
鈴与シンワート株式会社 ソリューションカンパニー ITサービス基盤事業部 営業部 課長 鈴木岳生氏

お問い合わせ先

鈴与シンワート株式会社

電話番号:050-5830-4471(平日9:00 ~ 18:00)

https://s-port.shinwart.com/ e-mail: ss-info@shinwart.co.jp

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