特別企画

面倒な請求書業務を快適に! 請求管理クラウド「MakeLeaps」の特長を聞く

新機能「セキュア送信」で大企業ユーザーも開拓へ

向原愛海氏

 Webnet ITが提供するクラウド型請求管理サービス「MakeLeaps」は、見積書・納品書・請求書などをクラウド上で作成・管理できるツールだ。2011年10月にサービスを開始し、2012年8月には7-bitesから競合サービス「Noroshi」の事業を譲り受けたほか、同12月にはヒューモニーの提供していた「請求名人」からユーザーを引き継いでいる。その後、徐々に機能を強化し、2013年6月にユーザー数1万社を突破。10月からは30日無料トライアルを開始するなどして、順調にユーザー数を伸ばしている。その特徴について、Webnet IT MakeLeaps担当営業の向原愛海氏に話を聞いた。

作成できる請求書の例。左がスタンダード版、右が有料版のみで作成できるプロフェッショナル版

請求業務の効率化を実現

 MakeLeapsは、見積書・請求書・納品書をWeb上で作成・管理できるサービス。作成する書類は、消費税(内税・外税)や源泉税などにも対応。ロゴや社印も登録したものを自動出力する。PCはもちろんモバイル端末でも操作でき、他の書類と一元管理できるよう「Evernote」との自動同期機能も備える。また、12月13日からは、限定公開されていた「セキュア送信」機能が正式提供された。より安全に請求書などを相手先へ送れる機能で、「特に大企業から要望の多かった機能」(向原氏)。その言葉通り、いままで個人事業者や中小企業がメインだった同サービスを、今後は大企業にも展開するとしている。

クライアント管理画面
クライアント追加
請求書設定画面
請求書を作成

 MakeLeapsで管理する請求業務は、売上報告書や予想売上高、売掛金管理表、グラフなどで可視化できるほか、書類の作成履歴や修正履歴、同サービスを通じてメール送信した履歴なども残るため、複数人で共同作業していても管理しやすいのが特徴だ。

履歴画面
売掛金管理表
上位クライアントのグラフ
前年度比のグラフ
支払い有無のグラフ

 向原氏は、「経理担当者がいなくて業務フローが確立していない、毎月の請求業務に追われて本業に注力できない、また予算がなくて基幹システムの導入が難しいといった個人事業主や小規模企業のユーザーは、作業時間が削減できることや安価な月額料金に魅力を感じるようだ。また、請求業務を既存システムや他部署と連携する必要があるものの、修繕費コストはなるべく押さえたいという大規模ユーザーは、APIやインポート機能で既存システムと連携でき、共同作業できる点を評価している」と話す。

「郵送」にも対応したクラウドサービス

 MakeLeapsは、登録する顧客数が5社以内であれば無料で利用できる。また、顧客数6社~25社までで利用ユーザー数が1人のみの場合、月額料金は1780円だ。

 同サービスでは、請求関連の書類を作成し、PDFダウンロードやメール送信が可能なことはもちろん、「郵送」にも対応していることが特徴だ。郵送サービスは、1営業日以内にWebnet ITのスタッフが書類を印刷し、封入と投函までを代行するサービスで、1通あたり199円が別途必要となる。

郵送代行もMakeLeaps上のワンクリックで依頼できる
199円を1メールポイントとしてプリペイド式を採用。MakeLeapsのSNS連携機能でつぶやくと1メールポイント加算されるような仕掛けも

 向原氏は、「1通の書類を郵送するためには、ExcelやWordなどで書類を作成し、印刷、捺印、送付状の作成、住所の印刷や記入といった作業が必要になる。これに紙代やインク代、封筒代、切手代などを含めると、1通199円でもかなりのコスト削減につながる」と説明する。

請求書と送付状
封入作業
投函まで代行してくれる

 Excelで請求書などを管理するユーザーがシステム化されたMakeLeapsに惹きつけられるほか、他社の販売管理ソフトを利用するユーザーも、この郵送サービスに魅力を感じるケースが多いという。一方で、Webnet ITにとってはユーザー数が増えると郵送作業も比例して増えることにつながる。そのため、同社では現在オンデマンド印刷業者との連携を検討中という。郵送業務をオンデマンド印刷業者に任せた場合も、「郵送サービスの価格は据え置く予定」(向原氏)としている。

新機能「セキュア送信」を提供開始

 MakeLeapsには、12月13日より新たに「セキュア送信」(ベータ版)機能が追加された。これまで書類送付の方法として用意されていた通常のメール添付による送信機能やPDFダウンロード、郵送というオプションに新たに加わる機能となる。

セキュア送信の仕組み
送信方法を選ぶ画面で「セキュア送信」ボタンが追加される

 セキュア送信では、MakeLeaps上で作成された書類を直接メールで顧客に送るのではなく、書類を管理されたデータセンター上に置き、相手先へは書類がダウンロードできるリンクのみを送付する。これにより、メールのように不特定多数のサーバーを介することなく、SSL暗号化された状態で書類を送付でき、盗聴や改ざん、誤送信のリスクが回避できるという。

 セキュア送信機能を使って送信されたリンクを顧客が参照した場合、その履歴も確認できるようになっている。未開封の書類に不備があると判明した場合は、取り消しも可能だ。また、未開封の請求書を確認することで、「入金漏れの発見も容易になる」と向原氏は説明する。

 顧客側も、送付された請求書を管理するためのアカウントが無料で作成できる。このアカウントでは、セキュア送信で送付された過去の請求書を一元管理できるという。複数の取引先がMakeLeapsを通じて請求書を送付した場合、それらすべてを同一アカウントで管理可能だ。

 セキュア送信機能は、全ユーザーを対象に希望者から順次提供を開始する。利用料は無料だ。ウェブを介した安全な書類送信の仕組みを提供することで、「今後は(書類の郵送ではなく)ペーパーレス化も進めばいいと考えている」(向原氏)という。

 この機能は「特に大手企業からの要望が高かった」と向原氏。同機能を提供することで、大手ユーザーも積極的に取り込んでいきたい考えだ。そのため同社では、「今後は販売代理店とのパートナーシップなどで販路を広げていきたい」としている。

沙倉 芽生