事例紹介
請求管理クラウド「MakeLeaps」を導入したVOYAGE GROUP、業務はどれだけ楽になった?
経理グループの竹内壮輔氏に聞く
(2014/2/10 06:00)
VOYAGE GROUPは、「ECナビ」「PeX」「Research Panel」といったインターネット関連メディアの運営や、「adingo」および「Zucks」によるアドテクノロジーなどを中心とした事業を展開するグループ会社だ。グループ全体の従業員数は約300人、2013年9月末時点の売上高は98億5800万円に達している。
そのVOYAGE GROUPでは、毎月の請求書発行業務にWebnet ITのクラウド型請求管理サービス「MakeLeaps」を利用している。MakeLeapsの採用に至った背景やその効果を、VOYAGE GROUP ファイナンス本部 経理グループの竹内壮輔氏に聞いた。
請求書発行業務の効率化を目指して
16社ものグループ企業を抱えるVOYAGE GROUPが取引する企業は多岐にわたる。請求書発行枚数は、竹内氏が担当する取引先だけでも毎月約100枚。今ではMakeLeapsを活用して効率的に請求書を発行しているが、以前の請求書発行業務は「その時期になると担当者2人がつきっきりで作業していた」という。
「1年半ほど前は、請求書の発行枚数が約80枚と今より少なかったのですが、Excelを使って請求書を作成し、印刷して郵送していたので大変な作業でした。これを何とか効率化できないかと考え、2012年の夏、請求書発行サービスの導入を検討することになりました」(竹内氏)。
複数のサービスを検討した結果、採用したのがMakeLeapsの前身にあたる「請求名人」だ(2012年12月にMakeLeapsが請求名人のユーザーを引き継いた)。まずは、ポイント交換サイト「PeX」と新卒採用支援の「サポーターズ」にて請求名人による請求書発行業務を開始し、MakeLeapsへの移行後はアドテクノロジー関連会社の「adingo」と「Zucks」、スマートフォンアプリの企画と運営を行う「genesix」でも利用しているという。
導入時に考慮した点は、請求書を印刷して郵送するという工数をできるだけ削減し、作業を効率化することだ。そのためにはある程度コストがかかってもかまわないと考えていたが、「それほどコストをかけることなく導入できた」と竹内氏は明かす。
作業面では、請求書を作成する際に手持ちのデータをCVSなどの形式で一括して取り込むことが可能かどうかがポイントとなった。これに関しては、請求名人が問題なく対応していたほか、MakeLeapsでも月額3980円の「自動車プラン」以上のユーザーと、請求名人を利用していたユーザーであれば、「データインポート機能」としてデータを一括して取り込むことが可能だ。
また、当時の請求名人の最大の特徴は、請求書を安全にデジタル送信する仕組みがあったことだ。現在、MakeLeapsではこの機能を引き継ぎ、「セキュア送信機能」としてリリースしている。
セキュア送信機能では、請求書などの書類を直接顧客にメールで送信するのではなく、データセンター上に置かれた書類のダウンロードリンクのみを送信する。そのため、書類が不特定多数のメールサーバーを介することはなく、SSL暗号化された状態で顧客に送信され、盗聴や改ざんなどが防止できるのだ。
顧客がリンクを参照したかどうかは履歴で確認できるようになっている。リンクを参照していない顧客を把握し、入金漏れがないかチェックすることも容易になるほか、未開封の書類に不備がある場合は、顧客がリンクを参照する前に書類を取り消すことも可能だ。
こうした安全で管理しやすい請求書送信の仕組みを取り入れたため、VOYAGE GROUPでは紙の請求書の郵送を廃止することに決めた。「数カ月間は、紙の請求書と電子版の請求書を平行して送っていました。その間、履歴を確認して請求書がちゃんと参照されているかチェックし、参照していないお客様には確認を促しました」と竹内氏。その後、紙の請求書発行は中止することを顧客に伝えたという。そのうちの数社は今でも紙の請求書を発行しているというが、「大半のお客様は問題なくこのシステムを受け入れてくれました」と竹内氏は話す。
MakeLeapsでは、1通につき199円で紙の請求書の発行と郵送を代行するサービスも提供している。このサービスがMakeLeapsの特徴ではあるものの、MakeLeaps側でもペーパーレス化が進むことを期待しており、これまで提供していたメール送付機能がバージョンアップした新機能として、セキュア送信機能を2月7日(金)に全ユーザーに一般公開した。
印刷、封入、郵送作業がワンクリックに
請求名人の導入からMakeLeapsへと移行し、約1年半にわたって同システムを利用してきたVOYAGE GROUP。その導入効果は一目瞭然だ。請求書を紙に印刷し、それを封入し、切手を貼って郵送するという作業が、今ではクリックひとつで済んでしまうのだ。導入当初の目標であった工数の削減は確実に達成できたと言っていいだろう。事実、「担当1名でまかなえるようになった」と竹内氏は言う。「この仕組みでは、今後請求書の発行枚数が多くなっても作業時間が増えることはありません」。
MakeLeapsの対応についても「細かい要望にも適切なスピードで対応してもらえるので助かっています」と竹内氏。例えば、「はじめは複数人数にメールを送信することはできなかったのですが、数カ月前からは複数人数への送信もできるようになりました」という。
売上に関する入出金管理やレポートなどは別の基幹会計システムを利用しているというが、今後は「(MakeLeapsで提供している)納品書の機能も使えるようになればいいと思っています」と竹内氏は話している。