「プレスリリース」コーナーでは、企業や団体などのプレスリリース(報道用発表資料)をそのまま掲載しています。株式会社Impress Watchは、プレスリリース記載の内容を保証するものではありません。また、プレスリリース記載の情報は発表日現在の情報です。閲覧いただく時点では変更されている可能性がありますのでご注意ください。

TIS、システム開発の生産性と品質を向上させるJava開発基盤『Xenlon~神龍』の全社利用を開始

2010 年9 月27 日
TIS株式会社

TIS、システム開発の生産性と品質を向上させるJava開発基盤
『Xenlon~神龍』(シェンロン)の全社利用を開始

~オープンソースソフトウエアベースのJava アプリケーション
フレームワーク、独自のプログラムコード自動生成アーキテクチャを活用~

 ITホールディングスグループのTIS株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:藤宮宏章、以下TIS)は、システム開発の生産性と品質の向上を目指したJava 開発基盤『Xenlon~神龍』(商標出願中。以下Xenlon)を開発し全社利用を開始しました。『Xenlon』は「開発基盤の資産化と共有」「プログラムコードの自動生成」
「プログラム品質の強化」をコンセプトに開発したシステム開発の社内共通基盤です。

◆ 『Xenlon』開発の経緯
 昨今の厳しい経営環境の中で、多くの企業が情報システム投資に対して高い投資対効果を求めています。このニーズにTIS がお応えし、多くのお客様に低価格で高品質なシステムをご提供する為には、これまで蓄積した生産性・品質向上ノウハウを集約・統合・展開するとともに、今後も蓄積されるノウハウについても開発現場から集約し改善を進めていくスキームが必要と考えました。

そこでWeb アプリケーション開発のノウハウを集約し、独自に開発したコード自動生成技術などを取り込んだ開発基盤『Xenlon』の構築に取り組みました。『Xenlon』のコンセプトおよび実現機能は、国内における開発案件だけでなく、開発規模・案件数の拡大が続くオフショア拠点開発における生産性・品質の維持・向上の実現に
寄与できるよう設計されています。

◆ 『Xenlon』の導入効果
 TIS では、2010 年度上期にお客様のシステム開発プロジェクトに『Xenlon』を試行導入した結果、「汎用処理領域」※のプログラムコード自動生成により、全体で約50%の自動生成が可能であることを確認しています。このプログラムコードの自動生成にアプリケーションフレームワークの共通機能・部品の利用などを組み合わせることで、同様の業種/システム種別/開発規模のシステム開発において、Xenlon を活用した場合としなかった場合を比較すると、最終的には約20%の生産性向上が見込めるとTISは考えています。

※「汎用処理領域」のプログラムコード
 一般的なシステム開発におけるプログラムコードの開発は、お客様のビジネスルール・ノウハウ等に依存した「業務処理領域」と、それらとの依存性が弱い「汎用処理領域」の2つに大別できます。『Xenlon』は「汎用処理領域」を対象とした「プログラムコードの自動生成」機能を実装しており、この領域での自動生成率はビジネスルール・ノウハウ等の難易度・複雑度に関係した「業務処理領域」の規模増減に依存して変動します。今回の試行導入プロジェクトの「業務処理領域」は平均的な規模であり、TIS では今後のシステム開発に『Xenlon』を活用することで、上記の試行導入と同等の効果を発揮できるものと考えています。

 品質面においても、TIS のプライベートクラウド上に配置したCI(継続的インテグレーション)ツールキットによってプログラムコード品質をリアルタイムに「見える化」することで、品質マネジメントと開発現場の改善活動を有効に機能させ、工程終了時の高い成果物品質を確保します。Xenlon は中国などのオフショア拠点からも共通の基盤を活用でるため、日本・中国双方の拠点から品質の確認を取ることができます。今回、試行導入したプロジェクトにおいて、中国オフショア拠点を活用した開発を行っており、その設計・製造工程でも高い成果物品質を確保しています。

◆ 『Xenlon』について
<コンセプト>
『Xenlon』は下記をコンセプトとした、生産性・品質向上を目的とするJava 開発基盤です。

「開発基盤の資産化と共有」
汎用的に使えるエンジニアリング基盤を「誰もが簡単に必要に応じた形で」使えるよう共有し、開発ノウハウをも共有する。

「プログラムコードの自動生成」
機械的な作業を排除し、エンジニアが「エンジニアにしかできない作業」に集中できる環境を提供する。

「プログラム品質の強化」
プログラム品質を「リアルタイムに」「自動的に」「可視化」できる仕組みを構築する。

<機能概要>
『Xenlon』は「アプリケーションフレームワーク」、「プログラムコード自動生成ツール」、「開発支援ツール・ガイド」の3要素から構成されています。

【アプリケーションフレームワーク】
 J2EEおよびSeasar2プロジェクトのSAStruts、S2JDBCをベースに、ビジネスアプリケーション構築において開発効率向上に有効な機能・部品群をアドオンしました。導入プロジェクトでは、プロジェクト固有のフレームワーク機能を追加、または『Xenlon』自体をカスタマイズすることも可能です。これによりプロジェクトのシステム規模・特性にあわせた開発を行うことができます。

【プログラムコード自動生成ツール】
 設計情報をデータベース化し、機械的に生成可能な部分のプログラムコードを生成します。プログラムコード自動生成により不具合混入が防止されることと、開発者が機械的作業から開放され業務処理部分の実装に思考/技術力を注力することとが相まって、生産性・品質の双方を向上します。

【開発支援ツール・ガイド】
 以下を提供することでプロジェクトの開発環境/手法を共通化し、開発者のノウハウ蓄積を助け、生産性・品質を向上します。
・Eclipse にプログラムコード検査ツールや構成管理クライアントを組み込んだ「TIS 標準の統合開発環境(IDE)」
・構成管理システムに格納されたプログラムコード品質の維持を支援し実態を見える化する「CI(継続的インテグレーション)ツールキット」
・自動化されたテストの導入を支援する「自動テスト計画ガイド」「自動テスト実施ガイド」

◆今後の予定と展開
 今後は、TIS 全社の生産性・品質向上をミッションとする技術本部生産技術部が中心となり、社内の開発プロジェクトに対する『Xenlon』導入を推進していきます。導入先プロジェクトでの生産性・品質向上を確実なものとする為に、開発現場へ『Xenlon』の導入ノウハウの浸透と習熟度向上を図ります。

 今後の改良については、TIS 社内のソフトウエアアーキテクトのコミュニティを立ち上げ、社内オープンソースソフトウェア(OSS)化した『Xenlon』のエンハンスメントを推進します。

関連情報
2010/9/27 18:44