ニュース

NTT Com、SAP HANAを企業向けクラウド「Enterprise Cloud」で提供

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は1日、企業向けクラウドサービス「Enterprise Cloud」において、SAPのインメモリデータベース「SAP HANA」をサービスとして提供する「SAP HANAメニュー」を発表した。まず東日本拠点で提供開始し、2016年中には海外拠点へも順次拡大する予定。

 「SAP HANAメニュー」は、Enterprise Cloudの環境でSAP HANAを提供するサービス。初期費用無料かつ最低利用期間なしでSAP HANAを利用可能なため、SAP HANAアプライアンスの購入などが不要となり、低コストかつ導入期間を大幅に短縮してSAP HANAを利用開始できるという。

 提供にあたっては、Enterprise CloudのベアメタルサーバーとNFS接続が可能な大容量のファイルストレージに「SAP HANAメニュー」を組み合わせ、TDI(テーラード データセンター統合)モデルに準拠した「SAP HANAセット」として提供する。これにより、TDIモデルをクラウドサービスとして利用可能となり、開発・検証・本番環境のシステムとして迅速かつ安定的に利用できるとした。

 なおNTT Comは、SAP Outsourcing Operations Providersとして、「Hosting」「SAP HANA」「Cloud Services」の3つのカテゴリでグローバル認定を取得している。今回、Enterprise Cloudに「SAP HANAセット」を追加することで、SAPに関するクラウドプラットフォームとマネジメントサービス「Global Management One」を、グローバルかつ一元的に提供できるとのこと。

 「SAP HANAセット」の価格は、搭載メモリ容量256GBの場合で月額27万6800円(税別)から。SAP HANA Enterprise Edition 1.0のソフトウェアライセンスは、ユーザーによる持ち込みを前提とする。また5月以降に、搭載メモリ容量512GBのプランも提供する予定だ。

 NTT Comでは、3月22日に英国でEnterprise Cloudの提供を開始し、今後、シンガポールや米国などにも順次展開する計画で、それにあわせて「SAP HANAセット」もそれらの拠点へ随時展開するとしている。

石井 一志