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富士ゼロックスマニュファクチュアリングがBIツール「MotionBoard」を導入

iPadによるダイレクト入力とBI活用による見える化を実現

 ウイングアーク1st株式会社は9日、富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社が、情報活用ダッシュボード「MotionBoard」によるリアルタイムモニタリングの仕組みを構築したと発表した。鈴鹿事業所において、生産現場で不良を出さないための取り組みとして活用しているという。

 富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社は、富士ゼロックスにおける日本国内の製造事業会社。国内4拠点(鈴鹿、富山、新潟、竹松)に分散していた生産機能を再編・統合することによって2010年に誕生し、プリンタ・デジタル複合機、トナー、感光体、転写ベルトなどキーコンポーネントの製造、および機種の組立生産を行っている。

 その同社では、基幹システムで扱わないデータは項目や書式などが標準化されておらず、各ラインの独自の判断で作業者が日報に手書きし、この手書き日報をあらためてExcelに入力のうえ、1次加工、2次加工を行うなどしていたため、煩雑な手間がかかっていた。加えて、作成されるレポートは“管理のための管理”という色合いが濃く、品質向上のためのデータ活用は不十分だったという。

 また従来、主に設備からのデータにより、生産現場の状況をリアルタイムで可視化していたものの、このような手書きを伴う帳票で運用をしていた部分は、その対象ではなかったとのこと。

 そこで、「BIを活用した生産現場でのリアルタイムモニタリング」による課題解決に着目。株式会社シムトップスの、iPadによるデジタル入力と手書きを融合させた記録・報告・閲覧ソリューション「ConMas i-Reporter」とMotionBoardを連携させ、その仕組みを実現した。今後は、この新しい仕組みと以前からのリアルタイムで可視化できるシステムを連携させ、発展させていく予定だ。

 なお2015年8月より、複合機部品の製造ラインで本格的な活用を開始しているが、日々の作業日報を紙からiPadによるダイレクト入力に変更したことにより、それまで毎日80分を費やしていたExcelへの手入力の工数を、完全になくすことに成功したとのこと。

 一方、入力されたデータのアウトプットは、全体責任者および各ラインのリーダー、品質責任者のPCやiPadのダッシュボード画面に、過去24時間分のデータが自動的に集計され、各工程の不良発生頻度が「赤(多発)」「黄(注意)」「青(良好)」のサインで示される。「赤」や「黄」のアラートが表示された場合は、ダッシュボード上にはその手がかりとなるKPIの推移もリアルタイムで示されるので、これに基づいて、その場で対処すべきことを判断できるようになった。

石井 一志