ニュース

コープネット、宅配事業の在庫管理システムにPostgres Plus EEを採用

 株式会社アシストとエンタープライズDB株式会社は、生活協同組合連合会コープネット事業連合(以下、コープネット)の会員生協が行う宅配事業向け在庫管理システムに、エンタープライズDBのRDBMS「Postgres Plus」が採用されたと発表した。2014年6月にすべてシステム導入が完了し、現在まで安定稼働を続けているという。

 コープネットは、関東、信越の会員生協(コープみらい、いばらきコープ、とちぎコープ、コープぐんま、コープながの、コープにいがた)とコープネットの子会社で構成する生協の連合会。

 宅配事業「コープデリ」などの物流を支える発注商流統合システムは、商品企画と発注の2つのサブシステムで構成されていたが、2013年のシステムリプレース時に、それまで発注システムに含まれていた在庫管理機能を独立した在庫管理システムとして分離する方針を決めた。また、仮想化環境でシステムを構築することを前提に、新規でデータベース製品を検討することになったという。

 そして、複数のデータベースを比較検討した結果、開発者が持つOracle Databaseのスキルをそのまま生かせ、Oracle Databaseとの互換機能を持つこと、エンタープライズ利用のために強化されたさまざまな機能と商用サポートといった点を評価し、「Postgres Plus Enterprise Edition(EE)」を選択した。

 物流の全13拠点において、システムの移行は2013年12月より順次開始され、すべての拠点のシステム移行を2014年6月に完了。現在まで安定稼働を続けており、性能、可用性ともに問題なく在庫管理処理(入出庫、在庫引当、追加発注、日次棚卸処理、週次の廃棄高集計、月次棚卸処理、実廃棄処理など)を行っている。

 コスト面では、仮想化環境でデータベースを稼働させているため、従来採用していたデータベースと比べ、ライセンスや保守のコストは約10分の1になったとのこと。また、開発者がOracle Databaseのスキルを流用できたことから、Oracle Databaseを利用した開発プロジェクトと比較しても工数が増えることなく、同程度の工数で開発が行えたとしている。

 コープネットでは今後、Postgres Plus EEのさらなる性能検証を実施する意向で、発注商流統合システムのほかの2つのサブシステムである商品企画と発注のシステムについても、Postgres Plus EEでの再構築を検討しているとのことだ。

石井 一志