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日本ヒューレット・パッカード、企業向けITサービス管理ソリューションを機能強化

 日本ヒューレット・パッカード株式会社は26日、企業向けのITサービス管理ソリューションについて、エンドユーザー向けのサービスポータル「HP Propel」と、SaaS型のサービスデスク「HP Service Anywhere」の機能強化を発表した。両製品を利用することで、企業のIT部門はユーザーに対してITサービスやアプリケーションを迅速かつ簡易に提供することができるとともに、自社のコストや複雑性の管理を向上し、セキュリティリスクを低減できるとしている。

 「HP Propel」は、ITのプロビジョニングから保守までを単一の窓口で活用できる製品。特許取得技術の「Service Exchange」により、各種のパブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスのサービスとAPIを介して相互に通信でき、この機能によりセルフサービスの機能を持ったワンストップでのITサービスを提供する。

 ITサービスの利用例としては、シンプルなユーザーアクセスやID設定から、アプリケーションの配信や機器の購入、さらにはクラウドベースの開発環境やマイクロサービスの提供まで、広範囲に及ぶ。これにより、IT部門はハイブリッド型のインフラを活用し、サービスブローカーとして企業の内外の各種ソースから多様なアプリケーションやサービスを集め、それらをユーザーごとに設定された最新の直観的なインターフェイスで提供できる。

 HP Propelの最新バージョンでは、統合的かつ直感的なインターフェイスに変更され、IT部門の既存のシステムとシームレスな統合が可能。サービスカタログの提供だけでなく、提供するサービスに関するナレッジやサポート機能も提供する。サービスカタログの処理は、グローバルに調達する必要があるような複数のリクエストをオーケストレートして提供する。また、新たに「BMC Remedy」「Service Now」「HP Operations Orchestration」と統合することで、主要なIT Service Managementシステム間でのナレッジ検索など、他のシステムにある情報の検索などが可能になった。

 「HP Service Anywhere」は、ビッグデータ解析プラットフォーム「HP Haven」をベースにし、ソーシャルセルフサービス機能を搭載。ビッグデータ解析機能を使ってサービス体験全体を向上させ、効率と生産性に優れた分析環境を提供することで、ユーザーが必要なアプリやサービスを入手し利用できるようにするとともに、必要とするサポートを簡単かつスマートに受けられるようにする。

 HP Service Anywhereの最新バージョンでは、ビックデータを利用したスマート分析、ソーシャルおよび仮想エージェント機能により、エンドユーザーの自立とチケット削減を可能にする。SaaSにより最新のITサービス管理を継続的に提供することで、素早い導入、容易な管理、シームレスなアップグレードを可能にし、運用のオーバーヘッドを削減。あらゆる規模の組織において、スタッフの生産効率を向上させる。また、最新のApplication Portfolio Management(APM)機能を提供。最適化分析は、組織がクラウドに最適なアプリケーションを選んだり、特定の用途に最適なクラウドタイプを決定するのに役立つとしている。

 価格は、「HP Propel」が80万円(100ユーザー)から、「HP Service Anywhere」が268万5000円(15ユーザー、12カ月)から。

三柳 英樹