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マイナンバー制度、内容認知率は約60%も理解度は低め~クロス・マーケティング調査
(2015/7/22 06:00)
株式会社クロス・マーケティングは21日、全国の15~79歳の男女を対象としたマイナンバー制度に関する調査結果を公表した。マイナンバー制度を内容まで認知しているという回答の割合は60.2%となったが、認知している内容は基本的情報がほとんどで理解度は低めであり、個人情報の取り扱いに対しては警戒心・不安感も強いとしている。
調査手法はクロス・マーケティング保有パネルによるインターネットリサーチで、全国47都道府県に在住する15~79歳の男女計2000人が対象。調査期間は6月19日~6月22日。
マイナンバー制度の認知状況についての質問では、「他人に説明できるぐらい知っている」が5.5%、「名前も内容も知っている」が55.1%、「名前だけ知っている」が33.6%、「まったく知らない」が6.2%。名称の認知率は93.4%で、内容まで認知している割合は60.2%となった。
一方、内容を知っているという回答者に対して、認知している項目について聞いた質問では、「マイナンバーは国民一人一人が持つ12桁の番号」(92.0%)、「一度付いた番号は、原則一生涯同じものを利用する」(78.6%)といった基本的な情報は割合が高いものの、制度の目的などの認知率は低く、内容理解は浅いことが伺えるとしている。
マイナンバー制度導入の賛否意向としては、「賛成」が50.7%、「反対」が49.3%で、割合はほぼ同じとなった。ただし、内訳としては、明確な「賛成」は8.2%、「反対」は18.3%で、「どちらかといえば賛成」が42.5%、「どちらかといえば反対」が31.1%となっている。賛否意見別の認知率では、マイナンバー制度の内容認知率が高いほど「賛成」「反対」の明確な意見を持っている傾向が強い。
マイナンバー制度導入の賛否理由としては、「賛成」では、「行政機関・公的サービスの手続きが今より便利になるから」(73.3%)が多く、「より正確な課税・年金・社会保障が可能になるから」(48.8%)が続く。「反対」では、「個人情報の流出や悪用が心配だから」(72.9%)が最も多く、「政府がしっかり制度を導入・運用できるか不安だから」(70.9%)、「個人情報を保護する防止策がしっかりしているかが不安だから」(70.6%)が続く。
マイナンバー制度の魅力ポイントとしては、「他人のマイナンバーを取り扱うものが個人情報を不当に提供することは処罰の対象となる」(41.9%)、「他人のナンバーを不正に入手することは処罰の対象となる」(41.7%)といった悪用対策が上位で、「行政機関・公的サービスを受ける際に、記入する個人情報が減る」(38.4%)といった利便性向上に関する項目を上回っており、個人情報に対する警戒心が強いとしている。