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国保中央会、介護保険・障害者総合支援システムのバックアップ体制を実現
「NetVault Backup」でサーバー約1000台のデータを保護
(2015/4/16 16:46)
デル・ソフトウェア株式会社は16日、国民健康保険中央会(以下、国保中央会)がバックアップ・リカバリソフト「NetVault Backup」を導入。「介護保険システム」と「障害者総合支援システム」のバックアップ環境を実現したと発表した。約1000台の物理・仮想サーバーのデータのバックアップ体制を構築している。
対象となったシステムは、介護サービス事業者から自治体への介護報酬請求に対する審査支払業務を担う「介護保険システム」と、障害福祉サービス事業者からの同様の請求に対応する「障害者支援システム」。前者は介護保険制度が施行された2000年4月から、後者は障害者自立支援法が施行された翌年の2007年9月から稼働するものだ。
国保中央会は、国民健康保険事業と介護保険事業の普及、健全な運営、発展を担い、全国47都道府県に設置されている国民健康保険団体連合会(以下、国保連合会)を会員として組織される。
国保連合会は、国保事業の実施者(自治体)を会員として、事業者への診療報酬の審査・支払や保険・国保事業の調査研究・広報、あるいは介護保険サービスの相談・指導などを行う。その事業の一環として構築されたのが両システムで、いずれも国保中央会が開発し、全国の各国保連合会で運用されている。
元々別のSIerに開発・保守されてきた経緯があり、その運用も47都道府県の国保連合会によって個別にオペレーションされてきたが、6年ごとの機器更改を機に一拠点にまとめるべきとの結論に。2010年から「一拠点集約プロジェクト」をスタートした。新たに共同運用センターを構築し、各国保連合会と共同運用センター間のネットワーク性能を含む連携試験を経て、新システムが本稼働したのが2014年5月。
その間、東日本大震災もあり、「データの完全性」をより厳しい水準で実現する必要性にも迫られた。そこで一拠点化した共同運用センターだけでなく、国保中央会と国保連合会の各拠点でもバックアップを行い、媒体でも保管するというバックアップデータの多重化を実施。「NetVault Backup」が採用されたのはそのためだ。
旧システムは物理サーバーで稼働していたが、新システムでは仮想サーバーが採用されていることから、仮想サーバーのバックアップも検討課題に。両システムの単純なオフラインバックアップに加えて、仮想サーバーのバックアップと仮想テープライブラリの導入という2種類の運用を組み込んだ。
実際のバックアップサイクルとしては、両システムに日次で差分バックアップを取り、週次処理および月次処理でフルバックアップを取る。介護保険システムではOSを動作させたまま、D2D2T(Disk to Disk to Tape)で最終的にテープ媒体にデータを保管。フルバックアップは1国保連合会あたり15TB程度の容量となり、さらに共同運用センターでは数百台もの仮想サーバーが稼働する。その合計は物理・仮想サーバー合わせて約1000台。それでもバックアップが時間内に終わらないといった問題もなく、安定的に稼働しており、セキュアかつ安定的なバックアップ環境が実現できたとしている。