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NTTぷららがピュアストレージ導入、データベース仮想化統合の基盤に

 ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社(以下、ピュアストレージ)は24日、株式会社NTTぷららのデータベース仮想化基盤として、オールフラッシュストレージ「FA-400シリーズ」が導入されたと発表した。インターネット接続サービスやスマートTVサービス「ひかりTV」などのサービス強化に向けて、データベースサーバー内のデータ集約を実現。ハードウェア集約によりランニングコストを約60%削減し、バッチ処理時間も1/3に減らした。

 NTTぷららは、インターネット接続サービスと2008年から提供しているスマートTVサービスを事業の柱に、サービスコンテンツの多様化・高度化に注力している。消費者ニーズやデジタルデバイスの多様化に伴い、サービスを強化するべく、より最適なITシステムを整備してきた。しかしながら、従来のITシステムではハードウェアが年々大型化し、データベース規模も拡大、ライセンス費用や運用コストがかさんでしまうことが課題になっていたという。

 そこで2013年夏頃から、データベースサーバー内のデータ集約によるコスト削減を検討。ただ、従来のITシステムではストレージのI/O性能がボトルネックとなり、仮想化によるデータ集約が進められずにいたため、今回、ランダムアクセスに強いオールフラッシュストレージによる解決を図ることとした。

 要件は、用途・ワークロードの異なるデータベースインスタンスのデータ領域を単一のストレージシステム上に集約すること。製品選定にあたっては、単純なI/O性能の高さだけでなく、どれだけ遅延を防げるかをポイントとした。その基本的な要件を満たしながら、異なるデータベースへのI/O要求を処理しても応答時間を維持できたことが決め手となって、「FA-400シリーズ」を採用したという。

 導入は2014年1月。その後、各種データベースの移行を順次実施。具体的には、個人会員の基本契約情報や課金情報を管理する「ISPサービス管理」、法人会員のデータを管理する「法人管理」、IP電話サービスの利用情報を管理する「IP電話管理」、会員からの問い合わせや対応履歴などを管理する「カスタマーサービス管理」、映像配信サービスの番組情報を管理する「番組表メタ情報管理」の計5つのデータベースの仮想化統合を2014年12月に完了している。

 効果としては、インラインでのデータ圧縮・重複排除により、データを1/5以下に削減。ストレージの物理容量を集約することでラックを1/6にまで減らし、約60%のランニングコスト削減に成功した。

 パフォーマンスもストレージ側の遅延を1ミリ秒台に抑えられたとのことで、安定したサービス提供が可能に。従来数十分かかっていたバッチ処理も1/3程度に短縮されたという。

 なお、レコチョク導入事例に続く、国内で2例目の公開事例となる。

川島 弘之