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“メンマの名付け親”丸松物産、富士通グループのクラウドERPを導入

 丸松物産株式会社と株式会社富士通マーケティング(以下、FJM)、株式会社富士通システムズ・イーストの3社は9日、丸松物産が、FJMのクラウドERP「AZCLOUD SaaS 食品」を導入し、2014年12月に本格運用を開始したと発表した。

 丸松物産は、メンマやザーサイなどの中華食材や業務用食材の製造・卸・販売を行っている食品総合商社で、メンマの名付け親としても知られているという。その同社では、1990年代にCOBOLで販売管理システムを構築していたが、外部環境の変化に対応するため都度改修を重ねたほか、セキュリティ対策を施して延命を図っていた。また、会計と給与はそれぞれパッケージをカスタマイズして導入・運用している。

 しかし近年では、システム管理者が高齢化し、属人化されたシステムを運用・保守できる要員不足が課題になっていたほか、同社が注力する“食の安心・安全”への取り組みを進めるためにも、より詳細で迅速なデータ活用が求められていた。

 丸松物産では、こうした課題を解決するために、FJMならびに富士通システムズ・イーストの提案を受け、基幹業務と共通業務システムを富士通グループのクラウド基盤上に構築する「AZCLOUD SaaS 食品」の導入を、2014年3月に決定した。

 クラウドサービスを利用することにより、システム管理者に依存していたシステムの改修、運用・保守などの対応が不要となり、業務システムの継続性を確保。また、富士通グループのデータセンターによるセキュリティ確保とBCP対策が実現できる点も評価された。さらに、システム刷新を機に業務を見直し、帳票を刷新前の約50%に削減するなど、業務の改善およびスリム化も実現したという。

 一方で、属人的に実施していた賞味期限の管理をシステム化し、得意先ごとに納入日を管理するようになったこともメリットで、製品の先入先出が可能になり、賞味期限の逆転納品を防止できる。あわせて、生産管理システムと連携することで、原材料ベースでのトレースができるようになった。これにより、食の安心・安全の取り組みをさらに強化できたとしている。

システム構成

 なお導入にあたっては、各システムの機能ごとに部分導入を行える特長を生かし、段階的な導入展開を実施。これにより、システムの入れ替えに伴う、マスタや蓄積したデータの整備、現状業務作業との調整、テスト運用期間を分散できるため、本業への影響を最小限に抑えられるとのこと。

導入スケジュール

石井 一志