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日本マイクロソフト、ユーザー単位の統合ライセンス「Enterprise Cloud Suite」
EAの1形態として提供、“クラウド時代のシンプルなライセンス”
(2014/11/21 14:36)
日本マイクロソフト株式会社は21日、法人向けの新しいライセンス「Enterprise Cloud Suite」を発表した。PCやデバイス数、またはユーザー数が250を超える企業向けのライセンス体系「Enterprise Agreement(EA)」の1メニューとして、12月1日より提供開始する。
「Enterprise Cloud Suite」は、多様なワークスタイルに対応するため、複数のサービス/ライセンスを1つのライセンススイートとして提供するもの。クラウドサービス「Microsoft Office 365 E3」、モバイル環境管理ソリューション「Enterprise Mobility Suite」、クライアントOSであるWindows Enterpriseの利用権「Windows Software Assurance per User」が含まれている。
最大の特徴は、従来のデバイス単位ではなく、シンプルなユーザー単位のライセンスとなっている点。また、モバイル時代、クラウド時代を見据えたライセンスになっているのも、大きな特徴という。日本マイクロソフトの執行役専務 エンタープライズビジネス担当、小原琢哉氏は、モバイルデバイス/サービスの普及と、クラウドサービスの導入が進みつつある現在では、企業での働き方が大きく変わってきた点を指摘。「いろんなモバイルデバイスをいろんな場所でセキュアに使っていく。こうしたことを考えたときの、ワークスタイルに合わせたライセンスだ」と説明した。
「Enterprise Cloud Suite」に含まれるEnterprise Mobility Suiteは、モバイル関連の課題を解決するスイートライセンスとなっており、マイクロソフトが掲げている“モバイルファースト”実現を後押しするという。
具体的には、社内とクラウドのID統合を実現するAzure Active Directory Premium、iOS/Androidまでを含めて管理できるMDM(モバイルデバイス管理)クラウドサービスのMicrosoft Intune、Windowsプラットフォーム以外にも対応したクラウド型RMSのAzure Rights Management Serviceを、統合して提供。BYODによってユーザーの利便性を損なわずに業務を行える一方で、システム部門によるきちんとしたID管理を支援するとした。
またOffice 365 E3では、クラウドサービスのExchange OnlineやSharePoint Online、Yammerや、オンプレミスのPCで利用するMicrosoft Officeのライセンスなどを統合して提供。さらに、Windows Software Assurance per Userでは、ユーザー単位のライセンスとして提供され、ほとんど無制限(厳密には1人あたり最大15台まで)のWindowsデバイスが利用可能になる。
小原氏はこれについて「ライセンスがシンプルなユーザー単位の管理になるため、(デバイスのカウントが不要になり)間違いなく管理者は楽になる」点を指摘。さらに、スイートでの提供となることで、コスト面でもメリットがあるとした。
なお既存のEnterprise Agreementユーザーは、既存契約を保持したままアドオンとして導入するか、契約更新のタイミングで切り替えることが可能。また新規契約の場合は、最低250ユーザーから契約できる。
具体的な価格面での効果については、ケースバイケースであるため算出が難しいというが、まったくの新規でEnterprise Cloud Suiteを購入する場合は、個別に購入する場合と比べて10~15%程度は安価になる見込みとしている。