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世田谷区・豊島区が住民情報システムをクラウド型に、マイナンバー対応も視野
(2014/11/12 16:10)
東京都世田谷区と豊島区が、東京都特別区の自治体向け住民情報システム「MICJET」をクラウド型で利用開始した。サービスを提供した富士通株式会社が12日、発表した。世田谷区と豊島区では、オンプレミスで運用していた住民情報管理システムのIT設備を大幅に削減するほか、今後開始されるマイナンバー制度などにも対応可能な環境を整える。
同サービスは、富士通がパッケージで提供していた、特別区に最適な住民記録、印鑑登録、住民税、国民健康保険などの業務機能をクラウド型で提供するもの。住民の各種申請手続きの負担軽減や、マイナンバー制度に容易に対応するオプションサービスも用意される。
これにより、世田谷区と豊島区は、オンプレミスでそれぞれ運用していた住民情報管理システム用のICT設備を大幅に削減。運用コストを約10~15%削減した。また、同サービスを提供するシステムは、堅牢で災害対策サイトも完備された富士通データセンターで運用され、同サービスと特別区の住民情報管理業務を熟知した担当者が24時間365日の監視・保守を行うため、信頼性も向上できるという。
オプションサービスとしては、転居・出生などのライフイベントで必要となる複数の申請・交付などの手続きをワンストップ化するための「総合窓口システム」を提供。住民は一括した申請書への一度の記名で複数の手続きが完結できるため、手続き負荷が軽減される。職員が窓口を訪れた住民へヒアリングを行いながら、各種申請書の作成を支援する住民支援機能なども備える。
また、「団体内統合宛名機能」を装備した連携基盤がオプション機能として装備されており、これにより、マイナンバー制度施行に伴い必要となる各業務への個人番号対応や、ほかの機関とのシステム連携が容易になるという。
世田谷区は同サービスを活用することで、区庁舎内のICT設備とオペレータールームを不要とし、スペースの有効活用、省電力化など庁舎環境の改善も実現する考え。一方、豊島区は同サービスの利用に併せ、戸籍情報システムを富士通データセンターに移し、全国で初となる戸籍情報システムの区域外でのデータセンター運用を開始した。2015年5月には新庁舎移転も予定され、オプションの「総合窓口システム」を利用した総合窓口サービスも準備中という。
東京都練馬区も同サービスの導入を決定しており、約200万人の住民をカバーする国内最大級の自治体クラウドサービスになる予定だ。