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NEC製ストレージ「iStorage M」新5製品、“業務単位”でI/O性能を制御

iStorage M710

 日本電気株式会社(NEC)は14日、複数の業務システムが稼働する仮想化基盤やストレージ統合に最適なユニファイドストレージ「iStorage Mシリーズ」5製品を発売した。価格は61万5000円(税別)からで、10月24日から出荷を始める。

 サーバーやストレージの性能向上に伴い、複数の業務システムを仮想サーバーで稼働させる例が増えている。その結果、1つの業務システムに急激な負荷がかかった場合などに、他のシステムが影響を受けてレスポンス低下を招く事態も。また、多数の仮想サーバー環境をいかに効率よくバックアップするか、ストレージを管理するかといった課題も生じている。これらを解決するのが新5製品の特長。

 具体的には、まず従来機「M300」比で約4倍の性能を実現。加えて、業務システム単位で仮想サーバーが利用するストレージ(論理ディスク単位)のI/O性能に上限・下限を設定できるようにした。これにより、ある業務システムの急な負荷時にも他の業務システムに影響を与えず安定して稼働できる。

業務の制御設定時の負荷状況イメージ

 管理面では、仮想サーバーとストレージの統合管理を実現。両方のリソースを関連付けて1画面で表示できるため、両方の要素が複雑に絡むような性能のボトルネックや障害原因も簡単に把握できるという。仮想サーバーのCPU・HDD使用量などの負荷状況管理と、ストレージの論理ディスク容量・性能などの関連リソースを一元管理することで、リソースを効率的に使用することも可能だ。また、仮想サーバーの構築時にはストレージの論理ディスクの割り当てを同時に行うことも可能となる。

 さらに、iStorage Mシリーズと、重複排除機能を備えたバックアップストレージ「iStorage HSシリーズ」を直接接続して、大容量データを高速にバックアップできるようにした。バックアップ管理用サーバーやソフトウェアが不要となり、バックアップのための初期導入・運用コストを低減できる。

 そのほか、OpenStackを活用したクラウド基盤としてiStorage Mシリーズを利用するためのストレージ用ドライバ「Cinder」を提供。オープンソースを活用したプライベートクラウド環境において、高信頼で安定したパフォーマンスのストレージ基盤を構築できるとしている。

 ラインアップは以下の通り。

製品名価格(税別)構成
iStorage M7101705万3000円からデュアルコントローラー構成本体(FC 8G×2、キャッシュ96GB、2.5型300GB HDD×3台、ディスクエンクロージャ)、基本制御ソフト
iStorage M510989万3000円からデュアルコントローラー構成本体(FC 8G×2、キャッシュ48GB、2.5型300GB HDD×3台、ディスクエンクロージャ)、基本制御ソフト
iStorage M310383万4000円からデュアルコントローラー構成本体(FC 8G×2、キャッシュ24GB、2.5型300GB HDD×3台、ディスクエンクロージャ)、基本制御ソフト
iStorage M11085万6000円からシングルコントローラー構成本体(SAS 12G×4、キャッシュ8GB、2.5型300GB HDD×3台)、基本制御ソフト
iStorage M11e61万5000円からシングルコントローラー構成本体(SAS 12G×4、キャッシュ4GB、2.5型300GB HDD×3台)、基本制御ソフト

川島 弘之