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NTT Com、「Bizホスティング Enterprise Cloud」でIBM i向けハイブリッドクラウド基盤を提供

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は10日、企業向けクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」において、2つの強化を行うと発表した。IBM i(AS/400)向けハイブリッドクラウド基盤「Powerオプション」と、ファイル転送ツール「HULFT」を利用量に応じて月額料金で利用できる「HULFTライセンスサービス」を、同日より提供開始する。

 新機能のうちPowerオプションは、IBM iで稼働する基幹システムのクラウド化を容易に実現するもの。IBM iは多くの企業で、ERPなどの基幹システム用のOS・サーバー基盤として利用されており、Windows/Linuxなどのx86系サーバーと連携して稼働しているが近年、このIBM iシステムの更改時にクラウドサービス化を検討する企業が増えている。しかし、IBM iと同一拠点で運用されるx86サーバーとは、相互のスムーズな連携が必要であり、両方を同時にクラウド化できるハイブリッドクラウド基盤が必要とされていたという。

 こうした需要に応えるためにNTT Comでは、日本情報通信のIBM i向けクラウドサービス「クラウドメンバーシップ」と、x86系のシステムを高信頼で運用できるBizホスティング Enterprise Cloudを低遅延なネットワークで接続し、一元的に提供できるようにした。

 これにより、生産管理システムや販売・在庫管理システムなどの基幹システムを、同じOS基盤を持つ高信頼のクラウド環境へ容易にマイグレーション可能になるため、基幹システムの運用コストを変動費化できるようになるとしている。

 価格例は、「タイプSSS」(385CPW、4GBメモリ、200GBディスク)で、月額9万1000円(税別)から。

 一方の「HULFTライセンスサービス」は、セゾン情報システムズが提供するデータ連携ソフトHULFTの各種機能を、Bizホスティング Enterprise Cloudのオプション機能として、利用量に応じた月額料金で利用できるサービス。これを利用すると、例えば金融機関における本社と販売代理店のデータベースサーバー間のリアルタイムデータ同期や、クレジットカード会社と加盟店間の大量カードデータの送受信、小売業での本社と店舗間の全店一斉データ集配信などを、Bizホスティング Enterprise Cloud上で実現できるようになる。

 特にBizホスティング Enterprise Cloudは、現在、米国、欧州、シンガポールなど9カ国11拠点で、同一サービス仕様にて展開しているため、グローバル規模のシステム連携であっても、クラウド上で容易に構築・運用可能とのことだ。

 価格例は、「HULFT7 for Linux-EX」の場合、本体のみで月額2万4300円(税別)から。

石井 一志