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NTT Com、「Bizホスティング Enterprise Cloud」値下げ~1CPUあたり月1500円に

~SDNを使った「コロケーション接続サービス」も提供開始

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は、企業のICT基盤向けクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」の料金を大幅に値下げすると発表した。同時に、より安価なソフトウェア型のファイアウォール機能やロードバランシング機能「統合ネットワークアプライアンス」の提供を開始する。

 合わせて、「Bizホスティング Enterprise Cloud」とNTT Comデータセンターのコロケーションエリアを無料で接続する「コロケーション接続サービス」を開始。クラウドサービスへの移行が困難なシステムをコロケーションエリアに個別システムとして構築し、「Bizホスティング Enterprise Cloud」と同一セグメントで接続することで、クラウド環境と個別システム環境のシームレスな運用が可能となった。

「Bizホスティング Enterprise Cloud」値下げ

 「Bizホスティング Enterprise Cloud」では、安価なリソース確保型プラン「Guaranteed」を新たに提供開始する。また、既存のコンピュートクラス「Standard」プランおよびストレージクラス「Standard」プランの料金を最大25%値下げする。

 「Guaranteed」プランは、リソース確保型のCPUおよびメモリを提供するプランで、現行のリソース保証型「Premium」プランと同等品質となるSLA対応プランを、従来価格の60%の料金で利用できる。

 新プランのコンピュートクラス「Guaranteed」は、1CPU(1GHz)月額上限1500円/メモリ(1GB)月額上限1200円。ストレージクラスは、Premiumの価格は変更なしで50GB・月額上限2500円、Standardが50GB・月額上限1200円で1500円から300円値下げされた。

 コンピュートクラス「Guaranteed」プランとストレージクラス「Standard」プランを組み合わせて利用する場合、最小構成で従来価格の約半額となる月額1万4000円で利用できる。仮想サーバー6台(Windows Server)、インターネット100Mベストエフォート、ファイアウォール機能、ロードバランシング機能利用の標準的な構成の場合も、従来の約65%の料金で利用できる。コンピュートクラス「Guaranteed」プランとストレージクラス「Standard」プランとの組み合わせは2014年5月中旬より提供を開始する見込み。

 なお、コンピュートクラスの「Premium」プラン、「Standard」プランは、「Guaranteed」プランの提供開始に合わせ、新規販売を停止。既存ユーザーは継続利用でき、「Standard」プラン契約者は、CPU 1GHz単位が2000円から1500円、メモリ1GB単位が1500円から1200円に値下げされる。

 提供開始時期は、日本国内のデータセンター(関東、関西)は5月9日より提供開始し、海外データセンターについては少し遅れて6月以降に順次提供開始する予定だ。

「統合ネットワークアプライアンス」提供開始

 NTT Comでは、価格改訂と同時に、より安価なソフトウェア型のファイアウォール機能やロードバランシング機能「統合ネットワークアプライアンス」の提供を開始する。

 これにより、「Bizホスティング Enterprise Cloud」では従来のハードウェア型と同等機能でより安価に利用できるソフトウェア型のファイアウォール機能、ロードバランシング機能、IPSec終端機能を一体で提供する「統合ネットワークアプライアンス」が利用可能になる。NTT Comによると、ハードウェア型と比べ、最大8割程度安い価格で利用できるという。

 最大100Mbpsの通信が可能で、必要な性能や冗長構成にあわせ4つのプランから選択できる。各種動作設定は、コンピュートリソースとあわせてカスタマーポータルから設定でき、海外9カ国・地域、11拠点のサーバー環境とネットワーク環境を同一インタフェイスから制御できる。

 統合ネットワークアプライアンスの提供プランと料金は、ファイアウォール機能のみのCompactプランでシングル構成が月額上限6000円、冗長構成が同1万2000円。ファイアウォール機能、ロードバランシング機能、IPSec機能が利用できるLargeプランでシングル構成月額上限1万2000円、冗長構成が同2万4000円。

 提供開始時期は、日本国内のデータセンター(関東、関西)は5月30日より提供開始し、海外データセンターについては少し遅れて6月以降に順次提供開始する。

SDNを使った「コロケーション接続サービス」

 NTT Comでは、「Bizホスティング Enterprise Cloud」のLAN環境とNTT Comが提供するデータセンターのコロケーションエリアの契約ラックを、同一セグメントとして無料で接続するサービスも合わせて提供開始する。

「コロケーション接続サービス」イメージ図

 接続は1Gbpsネットワークを冗長化し、低遅延で信頼性の高い環境を実現したという。VLAN多重機能による複数セグメント(最大24セグメント)にも対応。カスタマーポータル画面から、VLANの追加や削除など、システム構成の設定を変更できる。

 「コロケーション接続サービス」提供により、顧客企業はクラウドやコロケーション間の物理的距離や設備環境を意識せず、ハイブリッドクラウド環境として一体的に運用が可能になる。

 接続対象のコロケーションエリアは、「Bizホスティング Enterprise Cloud」のサーバー設備が設置されているデータセンター、および近隣のデータセンター。料金については、「Bizホスティング Enterprise Cloud」1拠点に対し、指定コロケーションラックへの1接続分は無料。複数のコロケーションラックへ接続する場合は、2接続目から月額料金9万6000円がかかる。

 提供開始時期は、「Bizホスティング Enterprise Cloud」設備設置データセンターとなる関東データセンター、関西データセンター、および近接データセンターの東京第5・第6、堂島第1・2・3で4月30日から。2014年度中に首都圏8拠点、関西圏3拠点、海外8カ国9拠点まで拡大、その後も順次拡大予定という。

工藤 ひろえ