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富士通エフサス、Windows Server 2003からのクラウド移行メニューを整備
リプレースキャンペーンも2015年3月まで延長
(2014/9/17 06:00)
株式会社富士通エフサスは17日、2014年5月に開始した「Windows Server 2003 移行サービス」において、クラウド移行メニューを強化すると発表した。また9月末までの期間限定で実施していた「Windows Server 2003 リプレースキャンペーン」を、2015年3月まで延長することも明らかにした。
富士通エフサスの今井幸隆社長は、「2015年7月のWindows Server 2003のサポート終了まであと10カ月となり、当社ユーザーに対する提案活動は97%が完了している。まずはサーバーの単純入れ替えが多いが、ここにきて、仮想化活用によるサーバー統合、ストレージ統合による移行が増加する一方で、その先の提案としてクラウドによる柔軟な環境構築にも関心が高まっている。ユーザーの要件に応じた移行パターンを用意し、幅広い選択肢のなかから選んでもらえる体制を整えた」とする。
また、富士通エフサス サービス企画統括部の武野正浩部長は、「これまで当社からサーバーを導入していないユーザーに対する、Windows Server 2003の移行提案も加速していく。約2000社、約1万2000台の移行提案実績をもとに、当社ならではのノウハウを提供することができる」と自信をみせる。
Windows Server 2003 リプレースキャンペーンを通じて、すでに約30社の新規ユーザーからの移行相談を受けており、今後、新たな顧客に対する訴求活動を強化する考えだ。
97%のユーザーに提案、約半分が移行完了
富士通エフサスでは、今年4月にサポートを終了したWindows XPの移行提案活動に合わせて、2012年12月時点から、Windows Server 2003への移行提案を同時に行ってきた経緯がある。
「地区本部別、担当所課別、お客さま別、機種別に販売リストを整備。これらのリストをもとに、サポート終了の通知と提案をいち早く開始してきた。毎月20日に本部が全国での進ちょく状況を把握し、実効性を重視した推進体制を敷いている。また、2012年度下期以降、Windows Server 2003からのリプレースに役立つ情報を、社内営業向けイントラ内に充実させ、現時点で約200点のコンテンツを収録し、提案活動を支援している」(武野部長)とする。
富士通エフサスでは、同社ユーザーである約2000社、約1万2000台のWindows Server 2003のうち、2014年8月末時点で、97%のユーザーに対して提案が完了。約半分となる52%に当たる6500台で移行が完了しているという。
「Windows XPでは、サポート終了10カ月前の時点では3~4割が移行完了しいたのに比べると進ちょく状況はあがっている。だが、クライアントPCの入れ替えに比べて移行作業に時間がかかるだけに、さらに提案活動および移行作業に力を注いでいく必要がある」とする。
同社では、運用変更を伴わない方法を用いる後継機種への単純入れ替えと、サーバー統合やストレージ統合といった仮想化による統合提案、さらにパブリッククラウドおよびプライベートクラウドを利用することでのクラウド環境への移行、という3つの取り組みを軸に提案を推進してきた。
さまざまなクラウドの選択肢を用意
2014年5月からは、Windows Server 2003からの移行を検討しているユーザーに対して、「Windows Server 2003 移行サービス」を開始。企画、設計、検証、ハードウェアおよびソフトウェアの導入、さらには、運用、保守まで、ワンストップで提供する仕組みを構築した。
「仮想化およびクラウド化の社内実践や約2000社の移行商談実績、全国約160拠点、約5200人のエンジニアを通じたサービスアカウントエンジニアのサポートを通じた支援体制により、最新環境への単純移行のみならず、要件に合わせて、TCO削減や運用管理業務の効率化を実現するサーバーの仮想化集約や、ストレージ統合、クラウド環境への移行のほか、災害対策や事業継続を見据えたバックアップ統合なども実現できる。仮想化分野においては、社内にVMwareのVCP取得者が583人おり、認定技術資格の保有者数国内ナンバーワン。VMwareの認定パートナープログラムにおいては最上位パートナーである。また、シトリックスのCCA取得者が517人おり、Hyper-Vに関しても国内有数の技術者数を擁する。『仮想化の富士通エフサス』を目指し、技術者育成に力を入れており、仮想化技術、クラウド分野における高い実績を持つ」(武野部長)と胸を張る。
今回のWindows Server 2003 移行サービスの強化では、クラウド移行メニューとして用意していたFUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5(以下、S5)に加えて、A5 for Microsoft Azure(以下、A5)、ニフティクラウドを新たにメニューに追加。
「安全性を重視するユーザーに対しては、富士通グループがエンタープライズシステムの構築運用で培ったノウハウを生かしたS5を利用していただく。また、より低価格であること、既存技術を利用できるといった観点でのメリット、あるいは導入から運用までの充実した付加サービスを求めるユーザーにはMicrosoft Azureを活用したA5を提案。そして、5分以内でサーバーを準備でき、必要な分だけ、必要な時に利用できる手軽さを重視するユーザーにはニフティクラウドを提案していく」と、メニュー内容に幅を持たせることで、ユーザーの選択肢を広げた。
「高品質、高信頼性の高いクラウド基盤を活用することで、最適なインフラ環境を実現できるため、煩わしい機器手配や、構築の手間が不要になり、オンプレミスと比べて短期間での移行が可能になる」とする。
2015年春以降を目標に、Amazon Web Services(AWS)もメニューに加えることを検討しているという。
また、SaaSでは、サイボウズ ガルーンやサイボウズOfficeなどを提供するcybozu.comや、富士通のパブリッククラウドサービス上で稼働するサイボウズ ガルーンSaaSを提供。「より安心した環境でガルーンSaaSを利用したい場合には、S5上で動作させるようにする」とした。
リプレースキャンペーンを来年3月まで延長
一方で、「Windows Server 2003 リプレースキャンペーン」を、2015年3月まで延長する。
同キャンペーンは、サーバー5台以上を持つユーザーを対象に、Windows Server 2003からの移行において発生する個別の課題確認とプランニング、移行提案を無償で行うもので、富士通製のサーバー環境だけでなく、他社サーバーや、富士通エフサス以外から導入したユーザーも対象にする。また、最適な仮想化統合システムを提案する「仮想化アセスメントサービス」も無償で提供する。
受付は、同社の「Windows Server 2003 移行相談センター」が、Webフォームおよび問い合わせ窓口(0120-860-242)で行う。