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「障害対応ナビ」を搭載、システム運用管理ツール「Senju Family 2014」

 株式会社野村総合研究所(以下、NRI)は9日、システム運用管理ツールの新版「Senju Family 2014」を発売した。

 Senju Familyは、システム運用管理ツール「Senju/OC(Operation Conductor)」、「人」にフォーカスしたエンタープライズ統合運用管理製品「Senju/EN(Enterprise Navigator)」、ITILやISO20000の運用プロセスを実現するサービスデスク製品「Senju/SM(Service Manager)」などで構成される製品群。

Senju Familyラインアップ

 新版では、システム運用の作業を開発部門が直接行う「セルフメンテナンス」を実現した。従来、システム運用の作業は開発部門からの申請に基づき、運用部門が自己の責任で行うことが通例だったが、クラウドの広まりを背景としてより迅速に対応するため、開発部門が直接システム運用の作業ができる「セルフメンテナンス」環境が求められているという。「プロセス管理」「作業自動化」「稼働統計分析」の機能強化により、同環境を実現している。

 具体的には、申請管理・変更管理・サービスレベル管理などを支援する機能において、要望の多い75項目の機能改善・追加を行った。バリデーションチェック機能やスマートフォンからの確認・承認機能などを盛り込んだほか、各種作業の環境確認機能やテンプレートも拡張し、これまで人の判断を必要としていた複雑な作業の自動化を実現。さらには、システムの状態やジョブの稼働状況について、過去の履歴から現在までの状況を時系列で把握可能とし、今まで運用部門に問い合わせなければ分からなかった情報を、開発部門側でリアルタイムに把握できるようにした。

 このほか、新たにNRIの運用ノウハウを「障害対応ナビゲーション」機能として実装。「Senju/EN」の拡張機能「Emergency Support Provider(ESP)」として提供し、項目数が多すぎて氾濫しがちな監視メッセージのうち対応不要なものを、運用監視の観点から自動的に抑止し、開発部門などへのエスカレーションが必要なメッセージのうち対応方法が決まっているものについては、自動的にメールまたは電話で通知を行えるようにした。

Senju/EN ESPによる障害対応ナビゲーションの概要
Senju/EN ESPによるメッセージ集約の概要

 さらに、対応が必要なメッセージについては、過去の対応履歴を基に適切と考えられる対応方法を担当者に表示することで、画面の指示に従って作業できるようにし、誰が対応しても均一なサービスレベルを維持するようにした。対応履歴や対応時の気付き、引き継ぎ事項などを記入することで、今後のナレッジベースとしても利用できるという。

 ベース価格は、Senju/OCが50万円(税別)から、Senju/ENが30万円(同)から、Senju/SMが380万円(同)から、Senju/SM SaaS版が月額15万円(同)から。

川島 弘之