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エクイニクス、日本でもExpressRouteに対応へ

Microsoft Azureへの閉域網接続が可能に

エクイニクス・ジャパンの古田敬社長

 エクイニクス・ジャパンは、マルチクラウドへの接続を可能にする「Equinix Cloud Exchange」を、日本のIBXデータセンターを通じて提供することを明らかにした。エクイニクス・ジャパンの社長であり、北アジア統括の古田敬氏によると、10月からサービスを開始できるという。また、開始時期は未定だが、Microsoft Azure閉域網接続サービス「ExpressRoute」の提供を検討している模様だ。

【お詫びと訂正】
「ExpressRoute」の提供時期については、エクイニクス・ジャパンの発表に誤りがあり、修正しました。

 Equinixは、ExpressRouteのグローバルパートナーとして展開。北米および欧州で、マルチクラウド環境に対応した相互接続ソリューション「Equinix Cloud Exchange」を提供するなかで、ExpressRouteについてもサービスを提供してきた経緯がある。

 ExpressRouteによって、Microsoft Azureリソースへの閉域網接続が可能になることから、インターネットの公衆回線網を経由せず、より信頼性が高い強固なセキュリティ環境を維持。レイテンシの低減などによる安定性も実現しながら、Microsoft Azureが利用できる。

 日本においては、インターネットイニシアティブ(IIJ)が、IIJの「IIJ GIOサービス」と、日本マイクロソフトの「Microsoft Azure」を連携させたマルチクラウドサービスを提供することを発表。その第1弾として、バックボーン上に顧客専用のプライベートネットワークを構築する「IIJ GIOプライベートバックボーンサービス」を経由し、ExpressRouteを利用できる環境を提供。10月からサービスを提供する計画を明らかにしている。

 エクイニクス・ジャパンの発表は、日本では2番目となるが、全世界19カ所に展開を図る「IBXデータセンター」を活用した世界戦略のなかでの取り組みとなる。

 Equinix Cloud Exchangeは、マルチクラウドとマルチネットワーク接続を実現することで、クラウドの利用者とクラウドサービスプロバイダーに多様な接続形態を提供できるのが特徴。北米および欧州での提供に次いで、7月からはアジア・パシフィック地域での提供を開始し、その一環として、10月から日本でもサービスを提供する。

 同社では、「これまでのマルチクラウド環境においては、セキュアで、信頼性と拡張性が高い接続ソリューションは存在せず、企業はオープンなインターネットを介して基幹業務を遂行することに対する懸念が払拭できなかった。Equinix Cloud Exchangeでは、従来のパブリックインターネットを介したクラウドへのアクセスを回避し、クラウドへのセキュアなパスと高スループットのアクセスによる、安定した環境で業務を行うことを可能にする。また、エクイニクス ソリューション検証センターによる実験では、パブリック・インターネットを通じたクラウドアクセスと比較し、ダイレクトアクセスの処理能力は147%にまで向上するという結果が出ている。パフォーマンスの高速化、信頼性の向上、セキュリティ強化、クラウドアプリケーション開発スピードアップと簡素化が可能となり、クラウドコンピューティングにおいて、大きなメリットをもたらす」としている。

 Equinix Cloud Exchangeは、香港、シンガポール、シドニー、東京、シリコンバレー、ワシントンD.C.、ニューヨーク、トロント、シアトル、ロサンジェルス、アトランタ、ダラス、シカゴ、ロンドン、アムステルダム、フランクフルトの世界16カ所に加えて、年内には、大阪、パリ、サンパウロにも展開する予定だという。

 現在、エクイニクスは、全世界100カ所以上のデータセンターを運営。450のクラウドサービスプロバイダーと、975のネットワークを含む、4500を超える顧客企業がビジネスを展開している。

7月にワシントンDCで開催された米Microsoftのイベント「WPC 2014」にて、ExpressRouteを大々的に訴求していた

大河原 克行