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弥生、外部アプリから仕訳データを取り込む「YAYOI SMART CONNECT」

青色申告オンライン版も2014年秋にリリース

弥生の岡本浩一郎社長

 弥生株式会社は、弥生シリーズと外部アプリケーションやサービスを連携し、外部データを自動的に仕訳データとして取り込む「YAYOI SMART CONNECT」を7月31日からスタートする。当初は提供中のオンラインサービス「やよいの白色申告 オンライン」を対象とするが、秋に提供を開始する「やよいの青色申告オンライン」にも対応させ、さらにデスクトップアプリケーションとして提供している「弥生シリーズ」にも2014年末をめどに対応させる。

 当初、外部アプリケーション・サービスとして対応するのは、Zaimが提供する家計簿サービス「Zaim」、イー・アドバイザーが提供するアカウントアグリゲーションサービス「Money Look」、クラウドキャストが提供する経費管理ソリューション「bizNote」、ならびにTwitter(ツイート)の4種類のデータ。「当面は、こちらがお声がけした会社から連携を開始するが、将来的にはAPIを公開し、自由に連携ができるようなサービスとしていくことを目指す」と弥生の岡本浩一郎社長は話している。

 YAYOI SMART CONNECTは、外部アプリケーション・サービスの銀行取引、クレジットカード、電子マネー、売上データなどを仕訳データに自動変換。やよいの白色申告オンラインをはじめ、今後登場するやよいの青色申告、デスクトップアプリケーションの弥生シリーズに仕訳データとして取り込むサービスだ。

 外部アプリケーション・サービスの取引データを、YAYOI SMART CONNECTのエンジンとなる「YAYOI SMART ENGINE」で取り込むことで実現。YAYOI SMART ENGINEには、取引データを仕訳データに変換する機能、OAuthで他のサービスにログインし、OAuthで他サービスからのログインを受ける認証機能、外部製品/サービスからの仕訳データを連係するデータバス機能を搭載する。

 出力については、やよいオンラインとはAPIによってリアルタイム連動し、デスクトップアプリケーションの弥生シリーズには当初はファイルでの連動を予定している。

 仕訳については、非定型テキストの解析エンジン、集合知(共創DB)を活用した推論エンジンを組み合わせて行う。自動的に分類した仕訳については、必要に応じて確認し、人の手で修正を行うことができる。

 最初に対応する外部サービス「Zaim」は、7月1日現在で1113種類の銀行取引、76種類のクレジットカード、4種類の電子マネーに対応。200万人以上が利用するクラウド家計簿。

 「MoneyLook」は、銀行取引1009種類、クレジットカード42種類、電子マネー10種類に対応。お金の管理、資産の管理を支援するサービスとなっている。

 「この2つのサービスは、用途としてダブるところがあるのではないかという見方もあるが、できること、できないことに違いがある。お客さまに選択肢を提供するという点から、2つのサービス両方に対応することが重要だと考えた」(岡本社長)。

 Twitterはおなじみのつぶやきサービスだが、タグをつけてつぶやくとそのツイートが弥生シリーズの仕訳データとして取り込むことができる。「当初は遊び感覚で導入しよう!となった機能だが、現金で支払ったお茶代などをメモ的につぶやいて取り込むと、予想していたよりも実用的な使い方となると実感している」(岡本社長)。

 「bizNote for やよいの白色申告オンライン」は、YAYOI SMART CONNECTのデータバス機能により、iPhoneアプリ「bizNote for やよいの白色申告オンライン」から、やよいの白色申告オンラインを利用することが可能となった。8月をめどに、Androidへの対応も予定しており、スマートフォンからやよいの白色申告オンラインが利用できるようになる。

YAYOI SMART CONNECTのコンセプト
仕組みの概要
取り込めるデータ
YAYOI SMART ENGINEの特徴
弥生への出力について
7月31日時点での外部連携サービス
やよいの白色申告オンラインにおけるYAYOI SMART CONNECTのデータ取り込みイメージ
Twitterを使ってのデータ取り込みイメージ

 また、現在請求書発行サービスなど、弥生シリーズの競合となるようなオンラインサービスが各社から提供されているが、「今後はそういった他社のサービスとの連携も行っていく。実際にクラウド会計サービスが各社から提供されているが、これまでの売上実績を見ると、当社の業績への影響はほとんどない。むしろ、これまで会計ソフトを利用していなかった層がクラウドサービスを利用しているのではないか」とクラウド業務サービスのマイナス影響はないとしている。

 そのベースとして、今年度売上高が期初計画を上回る150億円も視野に入ってきたことを挙げた。今年4月に消費税増税、Windows XPサポート終了といった出来事があったが、弥生にとっても影響は大きく、本数ベースで152.1%、金額ベースで218.9%と前年同期を大きく上回る成長率となっている。

 岡本社長は、「本数シェア、金額シェアと共に前年から拡大しており、圧倒的な競争力がさらに強化された」と強気な見方を示している。今後、クラウド型サービスが増えても、「デスクトップアプリケーションが完全になくなるとは考えにくい。お客さまの選択で使い分ける時代になるのではないか」と分析している。

三浦 優子