ネットワールド、ファイルサーバーにクラスタ構成のNetAppストレージを導入

　ネットアップ株式会社は20日、株式会社ネットワールドが、同社の全従業員約380名が利用する社内ファイルサーバーに、最新のストレージOS「clustered Data ONTAP 8.2」を採用したと発表した。これによって、スケールアウト型アーキテクチャを採用したストレージクラスタを実現しているという。

　ネットワールドでは、パートナー企業にNetApp製品を販売するだけでなく、2010年からは自社システムにもNetApp製品を採用し、自社IT基盤として運用している。しかし近年では、ユーザーデータが増加し、それらのバックアップに長い時間がかかるといった課題があり、新しいストレージシステムへの移行を検討していた。

　その移行にあたっては、長時間を要していたデータのバックアップに代わるデータ保護体制の確立、将来的にファイルサーバー以外の用途でも活用できる統合ストレージ基盤の構築、自社取り扱い製品の小規模環境における運用・構築ノウハウの蓄積、といった点を検討。これらの要件を満たすストレージとして、clustered Data ONTAPを搭載したNetApp FASシステムの導入を決定した。

　具体的には、2013年11月にclustered Data ONTAPベースのストレージ環境を構築し、実機検証とデータ移行を経て、同年12月よりファイルサーバーとして運用を開始している。ストレージ本体としては、ストレージコントローラを二重化した2ノード構成の「NetApp FAS2240A-2」を利用するほか、シングルノード構成の「NetApp FAS2220」をバックアップストレージとして導入した。

　なお、この環境は、クラスタ間の接続にスイッチが不要なSwitchless Cluster、冗長性のない1ノード構成のSingle Node Clusterという、clustered Data ONTAP 8.2で実装された新機能を生かして構成されているとのこと。

　また、従来のストレージから新しいストレージへのデータ移行には、NetAppのデータ移行支援ツールを活用し、安全・迅速なデータ移行を実現。データを新ストレージに移行した後、従来使用していた「NetApp FAS2040」ストレージのディスクシェルフを新たな環境でも再利用し、ディスク使用量の多い部署のデータをサービス無停止で移行できたという。

　ファイルサーバーのデータバックアップとリストアには、NetAppのデータ保護機能を引き続き活用。Snapshotの保持期間を4週間に延長したほか、ストレージ間のSnapMirrorを導入し、テープストレージによるバックアップを排除したとのこと。

　なおネットワールドは今後、仮想デスクトップ基盤向けなど、ファイルサーバー以外にもNetAppストレージの用途を広げる計画。あわせて、自社でclustered Data ONTAPベースのシステムの構築・運用を実施した経験を活用し、ストレージ分野のマーケティングやセールス活動を強化していくとしている。