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オレガ、サーバーデータの容易な移行を実現する「VVAULT 7.0」

 株式会社オレガは18日、ストレージ仮想化ソフト「VVAULT」の新版「同 7.0」を同日より提供開始すると発表した。既存サーバーから透過的にデータ移行を実現する「Vマイグレーション」機能などが追加されているという。

 「VVAULT」は、Windowsで認識できるすべてのストレージを仮想的に統合し、実質的に容量無制限の仮想ドライブを実現するストレージソフト。今回の新版では、煩雑なデータマイグレーション作業や複数サーバーの統合作業をソフトで自動化する「Vマイグレーション」機能を新たに搭載した。無償の専用クライアントソフト「Vマイグレーションツール」を利用して移行元サーバーの環境情報を抽出し、その出力ファイルを「VVAULT」にアップロードするだけで、ユーザーアカウント、グループ情報、共有フォルダ情報、アクセス権情報などを引き継いだ仮想ドライブを自動的に構築できる。

 また「Vマイグレーション」では、移行元サーバーのデータには手を加えないため、移行期間中も元サーバーを通常通りに利用可能なほか、移行が完了した後にダウンタイムゼロでサーバー切り替えを行えるという。

「Vマイグレーション」によるサーバー入れ替えフロー

 さらに「VVAULT 7.0」では、高負荷時の並行処理性能を3倍に向上させる「コンカレントモード」を新たに搭載した。これを用いると、同一スペックのサーバー機器で利用可能なユーザーキャパシティが約1.5倍に拡大するので、より低コストで大規模な仮想ドライブを構築できるとしている。

 また今回より新ライセンス体系「VVAULT License 7.0」を採用し、サーバーOSで稼働可能な無償ライセンス「VVAULT Business」(以下、Business)が新たに設けられた。「Business」は、専用サポートサイト「VVAULTカスタマーズ・スクエア」にユーザー登録することによって無償で発行されるライセンス。接続ストレージ数は2台(2TB)に制限されているが、「Vマイグレーション」も利用可能なため、容量が2TB以下のデータ移行についてはライセンス購入なしで利用できるとのこと。

 サーバーOSも利用可能な企業向けの商用版は、エントリーライセンスの「Professional」が年間12万円(税別)、HA構成やエクスプレスサポート(電話による優先サポート)などに対応した「Enterprise」が年間20万円(税別)で提供される。両ライセンスとも「Business」と異なり、接続ストレージ数や容量には制限がない。

 なお、オレガではこの「VVAULT 7.0」のリリースにあわせて「Windows Server 2003マイグレーション・キャンペーン」を実施し、その第1弾として特設サイト「VVAULTサーバー移行支援ページ」を開設する予定としている。

石井 一志