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Honda、世界6極におけるCADデータ高速転送基盤をクラウドで構築

NTT Comの「Bizホスティング Enterprise Cloud」採用

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は11日、本田技研工業株式会社(以下、Honda)が、大容量CADデータの高速流通基盤をグローバルで実現し、世界6極同時の製品開発・調達・生産を加速するために、同社の「Bizホスティング Enterprise Cloud」が採用されたと発表した。

 世界6極/54カ国にグループ会社を展開して自動車事業の拡大を進めるHondaは、2011年より、地域ごとの需要に即した商品を競争力のある価格で迅速に市場投入するため、世界6極に存在するHondaグループが相互に連携しながらも、それぞれが同時に開発・調達・生産できる体制構築を進めている。一方で、世界の部品メーカー各社との間でやり取りされるCADなどの大容量データは、地域ごとに個別仕様で構築されたファイル転送システムで運用されており、セキュリティレベルのばらつきや地域間のデータ転送時の遅延といった課題を抱えていたという。

 これらを解決するため、NTT Comは、「Bizホスティング Enterprise Cloud」で大容量CADデータの高速流通基盤を構築。クラウド基盤で地域ごとに仕様の異なるシステムを共通化できるトータルソリューションとして提供した。

 新たに構築された高速ファイル転送システムが稼働するクラウド基盤は、すべてNTT Comの提供する企業ネットワークサービス「Arcstar Universal One」に直結され、地域をまたぐ基盤間の転送はこのネットワークを経由することで高速転送を実現している。

クラウド移行完了後のシステム構成イメージ

 従来のファイル転送システムと比べて、グローバルでのデータ共有が最大14倍高速化されるとともに、地域ごとに異なる個別システムをグローバルレベルで共通化できるのがメリット。これにより、業務スピードの向上を果たしたという。

 地域ごとの個別システムをグローバルクラウド環境に移行するにあたっては、世界最高水準の暗号化技術「Camellia」によるファイル暗号化、およびSSLによる通信経路の暗号化を一元的に運用することで、グローバルレベルでセキュリティポリシーを標準化した。

 また、9カ国/地域・11拠点で展開するNTT Comのクラウド基盤上で稼働するサービスのため、世界6極のどの地域からでも柔軟性の高いグローバルクラウド環境を即座に安価に利用できる。これにより、従来、日本国内やタイのHondaグループ各社がシステム導入にかかっていた納期の90%短縮、年間コストの30%削減したという。

 NTT Comは今後、他メーカーも対象とした自動車業界のグローバルスタンダードサービスとなりうるクラウド基盤を提供していく考え。

川島 弘之