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デル、GPUシステムの検証ラボを開設~グラフィックス仮想化を推進
(2014/2/27 14:04)
デル株式会社は27日、GPUを利用したシステムの検証を行える「デルGPUソリューションラボ」を2月28日に設立すると発表した。デル東日本支社(東京・港区)にあるDell Solution Center内に、GPUを搭載した検証機器を常設するほか、検証機器の貸し出しや情報発信などを行うという。
デルではこれまでも、GPUコンピューティング分野で各種ソリューションを提供してきたが、今回、さらなる活用領域の拡大や利用推進を図るため、「デルGPUソリューションラボ」を設立。GPUベンダー、SIパートナーやISVパートナーなどと協業しつつ、各種取り組みを進めるという。
中核となる検証施設には、NVIDIA、AMDのGPUを搭載した各種サーバーを設置しており、HPCやグラフィックス仮想化のソリューションを検証できるようにした。
HPC向けとしては、GPGPUやコプロセッサを搭載した自社のx86サーバー「PowerEdge R720」「PowerEdge C8000」による並列分散システムを設置。一方、グラフィックス仮想化向けには、「PowerEdge R720」「PowerEdge C8000」「PowerEdge VRTX」といったサーバー上で、ヴイエムウェア、シトリックスのGPU用VDIソリューションを利用できるグラフィックス仮想化システムを提供する。また、これらで利用するクライアント端末として、スレートPCやシンクライアントも用意した。
デルがこうした環境を用意した背景には、ここ最近では、グラフィックス仮想化への関心が高まってきている」(エンタープライズ・ソリューション統括本部 エンタープライズ開発部 ビジネスデベロップメントマネージャの田上英昭氏)ことが挙げられる。
「以前は、画面描画もカクカクだったり、色落ちしてしまったりしていたが、描画を仮想化向けのGPUで行い、仮想デスクトップに割り当てるソリューションにより、手元にGPUがあるかのように、ハイグラフィックな環境を構築できるようになった」(田上氏)ため、グラフィックス仮想化が、コスト削減、管理性の向上、ネットワーク負荷の軽減など、さまざまなメリットを持った現実的なソリューションとして注目を集めるようになったのだ。
そこでデルでは、検証環境を提供することにより、需要のいっそうの喚起を狙う考えで、検証環境を用意するだけでなく、検証機を1カ月程度顧客へ貸し出すサービスなども提供。顧客の実環境で検証を行ってもらうことにより、さらなる普及促進も図るとのこと。
なお、最新ソリューションや導入実績、また「デルGPUソリューションラボ」での検証内容などは、同社のコミュニティサイトやセミナーなどで公開していく予定だ。