仮想化道場
VDIの検証ラボでGPU仮想化を推進するデル
(2014/5/27 06:00)
VDIによるワークステーション環境を試す
今回、Windows 7のVDI環境上にOpenGLのベンチマークソフトSPECviewperf11をインストールし、テストしてみた。
K260Q | K240Q | パススルー | |
catia-03 | 36.99 | 36.63 | 39.28 |
ensight-04 | 57.35 | 57.41 | 59.03 |
lightwave-01 | 32.07 | 32.8 | 37.51 |
maya-03 | 45.9 | 21.47 | 53.68 |
proe-05 | 8.47 | 8.6 | 8.42 |
sw-02 | 27.85 | 26.71 | 33.39 |
tcvis-02 | 38.23 | 38.57 | 38.16 |
snx-01 | 38.09 | 46.14 | 40.28 |
K260QとK240Qでは、1~5%ほどの性能差が見られるだけで、K260QとK240Qではあまり差が出ていない(ただ、Mayaのベンチマークに関しては2倍ほどの性能差が出ていた)。またパススルーでは、K260Qなどよりも性能が向上しているが、倍ほどの性能アップにはならず、10%ほどの性能向上にとどまっていた。
今回のベンチマークでは負荷をかけていないため、このような結果になったのかもしれないが、デルによれば、GRID K2を4台ほどのVDIで使っている場合は、それほど大きな差にはならないようだ。パススルーにおいても、GPUだけを利用する場合は大きな性能差にならないという。
このような結果を見れば、GPU仮想化によるワークステーションのVDI化は現実的なソリューションといえるだろう。実際に使ってみた感想から言えば、ローカルで利用しているのとあまり変わらないイメージで、3DグラフィックのCADソフトなどが使えた。
なお、NVIDIA GRIDを搭載すれば、どのようなサーバーであっても高い性能を持つVDI環境が実現できるわけではない。エンジニアがローカルで利用しているワークステーションと同じレベルの性能をVDI環境で実現するためには、サーバー自体も高いプロセッサ性能や高速の大容量メモリが必要になる。さらに、ストレージに関しても、高速なストレージシステムが必要になる。このように、ワークステーションをVDI化していくには、サーバー、ストレージ、ネットワークなど、トータルで高い性能が必要になる。
しかし、災害対策やデータを保護するための仕組みということを考えると、エンジニア一人一人にワークステーションを配置したとしても、データを集中して管理するために、なにがしかのサーバーシステムが必要になるため、その部分への投資は必要になるだろう。つまり、全てのコストが余計にかかるわけではない。
また、VDI化するとクライアントはデスクトップPCでも、ノートPCでも、タブレットやシンクライアントでも構わなくなるし、ネットワークで接続すれば、ローカルデバイスにデータが残らない形で、打ち合わせやデモに活用できるようになる。
企業では、こうした利便性や、システムトータルでのコストを考慮して、ワークステーションのVDI化を検討することになるのだろう。その際に、実際のアプリケーションの動作などを検証できるという意味では、デルGPUソリューションラボは有効な施設だ。