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クライアント仮想化のROIは426.4%、投資回収期間は10.7カ月~IDC Japan

年々効果は上がり、回収期間は短く

 IDC Japan株式会社は20日、国内クライアント仮想化市場におけるROI(投資対効果)分析結果を発表した。クライアント仮想化導入企業全体のROIは426.4%、投資回収期間は10.7カ月で、年々ROIの効果が上がっていることが分かったという。

 クライアント仮想化製品の「全体(全社導入+部分導入+試験導入)」におけるROIは426.4%、投資回収期間は10.7カ月となった。これはクライアント仮想化製品を使用することで、投資に対して4倍以上の効果が得られ、1年弱で投資コストが回収可能なことを意味する。前回および前々回の結果と比較するとROIの値が年々向上し、回収期間は短縮していることが分かった。

 クライアント仮想化全体の1人あたりの初期投資額は21万2402円、年次投資額は4万2447円、ベネフィットは68万8902円。クライアント仮想化製品の1日あたりの平均使用時間は約3.5時間(1日8時間勤務と想定)。クライアント仮想化製品の従業員普及率(クライアント仮想化製品を使用している従業員の割合)は30.9%だった。また、クライアント仮想化製品による生産性向上率は、エンドユーザーが28.3%、IT管理者・ITスタッフが30.9%、企業全体で33.7%となり、便益増加が見られた。

 産業分野別では、特に導入実績が多い「金融」と、導入が進んでいる「教育/自治体」に焦点を合わせて分析。「金融」「教育/自治体」のROIはそれぞれ575.9%、525.0%。投資回収期間はそれぞれ9.1カ月、10.0カ月で、ROIは「全体」よりも大きく、投資回収期間も短くなっていた。これは「金融」「教育/自治体」でクライアント仮想化の導入実績が多く、具体的な導入効果が実証されていることを意味するとのこと。

川島 弘之