ニュース

ここ5年のROIは300%超え――、IDC Japanが国内クライアント仮想化市場のROI調査分析を発表

 IDC Japan株式会社は4日、クライアント仮想化市場における、クライアント仮想化ROI(投資対効果)の算出と分析を実施し、その結果を発表した。この分析は、2017年に実施したユーザー調査および取材を基に行われたもので、2013年以降の過去5年間において、クライアント仮想化のROIは300%を超えているという。

 このうち、2017年のクライアント仮想化製品のROIは383.4%、投資回収期間は10.7カ月。エンドユーザー1人あたりの初期投資額、年次投資額、ベネフィットは、それぞれ、23万6467円(1年分)、6万2724円(1年分)、77万9127円(1年分)と算出されている。

 なおIDC JapanのROI分析手法では、ベネフィットをエンドユーザー、IT管理者、企業全体の3つに区分しているが、エンドユーザーのベネフィットが一番高く、全体の65.7%を占めるという。IT管理者のベネフィットは28.6%、企業全体のベネフィットが一番低く5.7%となった。

 なお、エンドユーザーがクライアント仮想化製品を利用する平均時間は、1日あたり3.9時間。全従業員に対する、クライアント仮想化製品を使用している従業員の割合(従業員普及率)は44.5%となっている。

 なお、2017年と2016年を比べると、クライアント仮想化システムのスケールアップ/スケールアウトなどによる投資金額の増加割合が、ベネフィット(リターン)の増加割合を上回ったため、ROIはやや低くなったとのこと。

 つまり、クライアント仮想化システムにおけるストレージ性能向上/容量拡大や、ネットワーク関連の投資が増加したことによって、1ユーザーあたりの投資額が増加している傾向が見られるという。同時にベネフィット(リターン)も増加しているが、総体的に、その投資分に対するベネフィット(リターン)は、2016年と比べて低くなっている。

 また、ROI算出に際する変動要因である、クライアント仮想化製品の使用率、従業員普及率は年々増加しており、企業内での使用時間、追加導入がそれぞれ増加している傾向にあるとした。