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ビッグデータで需要予測して推奨発注数まで自動算出、MKIが新サービス

予測モデル自動選択ロジック

 三井情報株式会社(MKI)は4日、ビッグデータを活用した「需要予測・自動発注ソリューション」を発表した。1月より提供している。

 小売業・流通業では常時大量の商品を取り扱うため、商品の欠品や過剰在庫のリスクが常につきまとう。発注数や在庫数の判断は難しく、これらの業務はベテラン担当者の経験や勘に頼る部分が多く、属人的なスキルに依存しがちとなる。

 「需要予測・自動発注ソリューション」は、オープンソースの統計解析ツール「R」をベースに自社開発した需要予測エンジンと、NTTデータイントラマートが提供するWebシステム共通基盤「intra-mart」をベースに自社開発した自動発注エンジンの2つから構成される。

 需要予測エンジンに組み込まれた複数の予測モデルに過去の受発注データを取り組むことで、最適なモデルを自動選択。精度の高い予測をした上で、自動発注エンジンが予測結果や在庫情報から推奨発注数を算出する。これにより、迅速な発注判断が可能になるという。

発注確認画面例

 なお、作業服・作業関連用品の大型専門店チェーンであるワークマンがすでに採用している。ワークマンでは、西日本における商品供給能力の増強と配送時間の短縮のため、既存の群馬県の流通センターに加え、滋賀県に流通センターの新設を決めた。東西の2センターに分けて発注するため、発注件数と発注量算定業務は2倍となり、そのままでは人員も倍増しなければならなかった。

 「需要予測・自動発注ソリューション」を採用したことで、人員を増員することなく発注業務に対応できるようになったほか、商品の推奨発注量が算出できることで、不足の欠品状態を招かなくなったという。

 MKIは、3年で10件の顧客獲得を目指す。

川島 弘之