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日立の新社長、「“1つの日立”で、きめ細かいサービスを提供する」
(2014/1/9 00:00)
株式会社日立製作所(以下、日立)は8日、取締役社長ならびに取締役会長の異動を発表し、都内で記者会見を開催した。新人事では4月1日付けで、現専務の東原敏昭氏が、代表執行役社長 執行役社長兼COOに昇格。現社長の中西宏明氏は取締役 代表執行役 執行役会長兼CEOに就任する。現会長の川村隆氏は相談役となる予定。
社内カンパニーや子会社ではなく、日立自身がCEOやCOOといった役職を設置するのは今回が初めてで、中西氏は「4月以降はCEOとして、グループ全体の中長期的な方向性を決める役割を(自分が)果たすとともに、(COOの)東原氏が強力に実行するという役割分担をしていく。成長路線を取っていくための強力な布陣である」と説明する。
また、その際の新たなパートナーとなる東原氏については、「情報通信や電力、インフラといった分野を経験しているし、直近では、日立プラントテクノロジーで経営者としても大きな経験をした。また、グローバルな事業展開を強力に進めた実績もある、強いリーダーだ」(中西氏)と紹介。
「非常にフットワークが軽く、現場に強い。社会イノベーション事業をグローバルに展開するにあたっては、トップセールスが必要な局面も多く、顧客とコミュニケーションできることが重要だ。東原氏はお客さまの受けが非常に良いため、その点でも強みがある」とも述べ、東原氏を選んだ理由を説明した。
一方で東原氏は58歳と、現社長の中西氏(67歳)、現会長の川村氏(74歳)よりも若い。川村氏はその点について「厳しい時期を脱却し、中期経営計画の滑り出しにも確実な手応えが感じられようになった。その中で、さらなる成長を図るために次の世代にバトンを渡したい」と述べ、世代交代を社長・会長人事の理由の1つとして挙げた。
新社長となる東原氏自身は、「12月半ばに(就任の)話があり、中期経営計画の途中ということもあって青天のへきれきだったが、日立の成長のためにお役に立つのであればということで引き受けた。『ワンフォーオール、オールフォーワン』の精神を日立の中に浸透させて、“1つの日立”を実現したい。自分の強みである“現場力”を発揮し、失敗を恐れずに、社会イノベーション事業をグローバルに展開していく」との抱負を話す。
その東原氏が成長のための鍵として挙げたのは、トータルでサービスを提供するため「サービス事業基盤」。「省エネや生産効率の向上といった経営者の課題を解決するために、グループの製品、サービス、ソリューションを束ねてお客さまに提供する体制作りをする。また、最初に提供するだけでなく、ライフサイクルを通じたサービスを提供するために、クラウドやICTの技術を導入し、サービス基盤を作りたい」とし、“1つの日立”による、きめ細かいサービス提供のための仕組みを整備する考えを示している。