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Oracle、第5世代のデータベースマシン「Exadata X4」

 米Oracleは11日(米国時間)、データベースマシン「Oracle Exadata Database Machine」(以下、Exadata)の第5世代となる「同 X4」を発表した。ハードウェアとソフトウェアの強化により、OLTP(オンライントランザクション処理)、Database as a Service(DBaaS)、データウェアハウス(DWH)といった各用途での性能が強化されているほか、データベース展開の効率性とサービス品質が強化されているという。

 Exadataは、ハードウェアとソフトウェアをあらかじめOracleが事前構成し、最適化を施して提供するデータベースマシン。DWHアプライアンスと異なり、DWH用途でもOLTP用途でも利用できる柔軟性を持つ。

 今回のExadata X4では、有効なフラッシュメモリ容量を4倍に拡大し、OLTP処理が大幅に高速化された。シングルラック(フルラック)構成のExadataでは、フラッシュメモリに88TBのユーザーデータを保存可能になったため、OLTPデータベースのほとんどをフラッシュメモリに収められるとのことで、OLTPアプリケーションで重要なランダムI/O性能が100%近く向上するという。

 また圧縮が設定されている場合でも、8Kのデータベース読み込みで266万IOPS、書き込みで196万IOPSを実現。秒間あたり数百万IOの速度のまま圧縮を行えるので、性能と効率のトレードオフが解消するとのこと。データスループットも、フルラックのExadataで100GB/秒を達成でき、オールフラッシュアレイを上回るスループットを、ディスク階層化の利点である低コストを維持したままで実現するとしている。

 DWH用途では、一般的なテーブルおよびパーティションスキャン処理に焦点を当てた新しいFlash Cachingアルゴリズムにより、データウェアハウジング処理の性能が向上。フラッシュメモリよりテーブルのサイズが大きい場合は、フラッシュメモリへの部分的なキャッシュが自動的に行われ、フラッシュとディスクの両方から同時に読み込まれるようにする仕組みにより、スループットを向上させている。

 ネットワークでは、InfiniBandネットワークスループットが100%近く向上。ネットワークリソース管理機能の追加により、遅延が重大な影響をおよぼすデータベース操作において、レポーティング、バッチ、バックアップなど、ネットワーク負荷の高い操作が平行して実行されている場合でも、応答時間を大幅に低減できるようになった。

 なお、従来のExadataでは完全な互換性と相互運用性が確保されているため、既存マシンを利用するユーザーは、容易に最新システムへの拡張が可能。また、新しいExadataのソフトウェアは、従来のExadataハードウェアシステムすべてに対応し、データベースは、Oracle Database 12c/11g R2をサポートした。

石井 一志