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スマートデバイスに現場の情報が浮き上がる、アサヒ飲料が自販機営業にAR活用

TIS「フィールド業務支援サービス on Skyware」を導入

 TIS株式会社は18日、アサヒ飲料株式会社の自販機設置の営業活動で効率的な顧客訪問を実現する、スマートデバイスを活用した新しい営業支援システムを構築したと発表した。

 新システムは、TISの情報配信プラットフォーム「SkyWare」の新シリーズ「フィールド業務支援サービス on Skyware」を活用して構築した。アサヒ飲料は、2014年1月より76名の営業担当が自販機設置の営業活動に同システムの本格利用を開始。将来的には対象範囲を拡大する方針。

 「フィールド業務支援サービス on Skyware」は、基幹系システムやデータベースの営業情報と、営業が持ち歩くスマートデバイスを連携させ、外出現場にて利用するサービス。営業情報にGPSからの位置情報を合わせて地図データ化するとともに、ARを利用してスマートデバイスのカメラ画像に現在位置にひも付いた営業情報を映し出すことで、外出先での状況把握と情報共有をスムーズにする。

カメラ画面で視覚的に営業情報を確認できる
画面上のアイコンをタップすれば、取引先情報をその場で確認可能

 クラウドサービスとして提供されるため、安価な初期費用と従量課金の月額費用で早期に利用できる。また、基幹系システムとの連携に汎用的に利用できる標準インターフェイスを用意することで、大規模な改修なしでスムーズにシステム連携できるのが特徴。業務内容に合わせて、連携部分のインターフェイスをカスタマイズすることも可能なため、既存の業務フローを変更することなく短期間で導入できるという。

 アサヒ飲料では、蓄積した営業情報を、自販機の設置にかかわる外回りの営業担当が外出先の現場で有効活用することで、顧客に最適な提案を行う営業スタイルの変革を検討していたという。そこで同サービスの専用アプリをインストールしたスマートデバイスを営業担当に支給。

 営業担当は外回りの際に同アプリを使って、地図情報とARを組み合わせた画面から担当エリア内のどの場所に自社の自販機が設置されているかなどの営業関連データを視覚的に引き出すことで、「正確な営業情報」と「タイムリーな営業ステータス」が把握できるようになるという。これにより、「すき間時間を有効に使った訪問件数アップにより、売上や利益につながる営業スタイルの確立」「外回りの空き時間に設置台数を増やす交渉など、攻める営業を実現する営業スタイルの変革」を目指すとしている。

川島 弘之