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FJM、Windows Server 2012 R2の新機能を活用しIT支援サービス「AZSERVICE」を強化

 株式会社富士通マーケティング(以下、FJM)は20日、IT支援サービス「AZSERVICE」において、最新サーバーOSであるWindows Server 2012 R2への対応と、ラインアップの拡充を図ると発表した。強化したサービスは12月より提供開始する。

 FJMでは、日本マイクロソフトと中堅・中小企業向けのサーバー仮想化分野で協業し、Windows Server 2008 R2 Hyper-Vを用いた仮想化環境を提供する「仮想化ベーシックセット」や、FJMが仮想OSとアプリケーション、必要な設定作業を済ませて提供する「Hyper-V構成済アプリケーション(VHD)」を2011年10月より提供してきた。

 今回はこれらのサービスを、Windows Server 2012 R2の持つ最新機能を利用してリニューアルする。「VHD」では、Windows Server 2012 R2の動的ディスク拡張機能により、システムを止めることなくVHDのディスク拡張が行えるようになるため、ディスク容量の少ないサーバーでのスモールスタートが可能となり、初期導入コストを2割程度抑えられるという。

 一方の「仮想化ベーシックセット」では、同じく動的ディスク拡張機能を用いてスモールスタートを可能にするとともに、サーバーからの処理要求に優先順位を付け、それぞれの処理に必要な性能に上限を設定できる「ストレージQoS」機能を活用。1つのサーバー内で複数の業務を仮想化して利用する場合において、各業務システムから一斉に処理要求が発生しても、あらかじめ設定した優先度の高い処理作業へ確実に振り分けられ、安定したストレージ性能を維持できるようにする。

 また、仮想化されたPRIMERGYを2台セットで提供する「スマートレプリカDRサーバセット」においては、仮想マシンのレプリケーションを実現する「Hyper-Vレプリカ」機能の強化により、VHD単位で複製の転送間隔(最短30秒)が選択可能となったほか、複製でやりとりされるデータ容量を、従来の最大1/40まで削減できるとのこと。業務の優先度別で転送間隔を選べるだけでなく転送速度も向上するので、これまでは高額な共有ディスク構成が必要だったシステムを、安価に実現できるとしている。

 さらに、Hyper-Vレプリカ機能を活用し、FJMのクラウドサービスである「AZCLOUD」上にサーバー環境を丸ごと複製する「AZCLOUDサーバレプリケーション」でも、Hyper-Vレプリカ機能の強化により、「スマートレプリカDRサーバセット」と同様のメリットが得られるようになった。

 このほかFJMでは、新サービスとして、データを自動的にクラウド環境へバックアップする「AZCLOUDバックアップ」もラインアップした。ユーザー企業は、FJMから提供されるOS、バックアップソフト設定済みのNASをバックアップ先に追加するだけで、データを自動的にクラウド環境へバックアップできる。

 クラウド上に保管するデータは暗号化され、セキュリティを確保するほか、自然災害時にNASを紛失・破損した場合のデータ復元を支援するので、最低限、データだけはクラウドへ退避したいというニーズに安価で応えるとのこと。

 価格例は、「VHD」が32万円(税別)から、「仮想化ベーシックセット」が72万円(税別)から、「スマートレプリカDRサーバセット」が140万円(税別)、「AZCLOUDサーバレプリケーション」が月額7万9800円(税別)、「AZCLOUDバックアップ」が初期費用39万9000円(税別)、月額費用6980円(税別)など、

 なおFJMでは、ITサービス、ネットワーク、クラウド、IT運用ビジネスの強化を図る目的で、「AZSERVICEサポート統括部」を10月1日付けで再編し、技術、開発、支援を一体化したサービス提供を可能にした。同社は、AZSERVICEの機能強化ラインアップとAZCLOUDバックアップにおいて、今後1年間で1000社への提供を目標としている。

石井 一志