ニュース

NEC、リモートでのリアルタイム映像伝送を最適化する「NEC Intelligent Video Streaming」

モビリティの遠隔監視やリモートでの広域監視などを支援

 日本電気株式会社(以下、NEC)は14日、リアルタイム映像伝送の最適化ソフトウェア「NEC Intelligent Video Streaming」を発表した。これを利用すると、モビリティ遠隔監視やリモート広域監視など、リモートでの映像活用を支援できるとのことで、販売はすでに開始されている。

NEC Intelligent Video Streamingの構成概要

 NEC Intelligent Video Streamingは、モビリティ遠隔監視やリモート広域監視など、リモートでの映像活用に向けたリアルタイム映像伝送を最適化するソフトウェア。1)通信品質を予測する「適応ネットワーク制御技術」、2)映像分析に必要で最適な画質を学習する技術「学習型メディア送信制御技術」――を用いて、これまで必ずしも安定して帯域確保ができなかった無線通信でも、スムーズな映像伝送を行えるようにしているという。

 このうち1)は、無線通信速度を予測し、映像品質をリアルタイムで先回り制御することで、スムーズな映像伝送を実現するもの。帯域幅の変動に合わせて、伝送する映像・画像のデータ圧縮率を自動調節する仕組みにより、低い帯域幅でも必要な映像・画像の伝送が可能になる。

通信速度と映像ビットレートの関係(左:従来技術 右:NEC技術)

 一方の2)では、注目領域と最適画質を学習し、送信映像を最適化することによって、データ量の削減を実現した。映像分析に必要な領域は高画質に、不要な領域は低画質にすることによって、リアルタイムな映像分析に必要な画質を維持しながら、安定した映像伝送に適したデータ量まで削減するとのこと。

注目領域と注目領域以外の画質比較

 こうした2つの仕組みにより、無線通信品質を予測したスムーズで乱れのない映像伝送と、映像分析でフォーカスしたい部分を高精細に、周辺視野は低解像度に落とした効率的な映像伝送を実現。自動運行車・自動運行バス・無人運転などのモビリティのリモート監視や、海上や山間部などでの映像を用いたリモート広域監視など、必ずしも安定した回線品質が確保できないユースケースでも、モビリティやリモート環境に対して高度な映像AI分析を行えるようになるとしている。