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撮影した映像データを暗号化、テレビ朝日が情報漏えい対策

 テレビ朝日は、撮影した映像をデジタル化し、HDDなどの映像記録媒体に保存した映像データの高セキュリティ化を実現した。日立のデータ漏えい対策ソフトを活用した新しい映像システムを構築し、現在デジタイズセンターにてテスト運用中。2014年度早々に本格稼働させる。日立が21日、発表した。

 新しい映像システムでは、日立のデータ漏えい対策ソフト「データプロテクトミドルウェア」を活用。このシステムでデジタル保存された映像データは、暗号化されて保存されるため、「データプロテクトミドルウェア」を適用した映像システム以外では閲覧・編集が不可能となる。

 「データプロテクトミドルウェア」は、HDDに適用して利用するデータ暗号化ソフト。日立独自の暗号化技術が採用されており、暗号化の前後でファイルサイズはほとんど不変で、映像データを高速に編集処理できるのが特徴。また、組織単位やファイル単位で暗号鍵を変えるなど柔軟に運用できるという。

 既存のHDDに適用できるため、新たにHDDを購入する必要がない。テレビ朝日はデジタイズセンター(局内貸出センター)および局内制作部門のHDDに適用。デジタイズセンターに暗号化された映像データを保管し、制作部門に映像データを貸し出した際も「データプロテクトミドルウェア」が適用されたHDD上で編集を行うため、セキュリティが維持される。各編集室に同環境を構築し、別室に持ち運んでの編集も可能とした。

 「データプロテクトミドルウェア」の高速な編集処理技術により、暗号化されていない映像データとほぼ同等のスピードで編集処理できるため、現場での編集作業も負荷なく作業できているという。

システム概要

 日立は今後も「データプロテクトミドルウェア」のさらなる機能強化、操作性の向上を図り、放送業界をはじめ、金融・流通・交通などの分野における監視・防犯システム、医療診断画像を扱う医療システムなど、映像データのセキュリティが求められる分野に展開する方針。

川島 弘之