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キヤノンITSが非正規品を見抜くシステム、日本の製造業にクラウドで提供
購入者自身が購入前に手軽に正規品判定
(2013/10/28 13:19)
キヤノンITソリューションズ株式会社(キヤノンITS)は28日、グローバル展開を進める日本企業向けに、正規品判定システムをクラウドサービスとして提供する。
昨今、グローバルに製品を販売する日本企業において、正規の輸入品を装った並行輸入品や、同梱物の一部だけが偽物に変えられた偽造品などの、非正規品の流通が深刻な問題となっている。今回のシステムはこのような非正規品へ対策となり、製造元が導入することで製品の購入者自身が購入前に手軽に正規品判定を行えるようになる。
具体的には「正規品判定シール」で製品パッケージを封かんする。同シールには、従来の暗号方式とは異なる「PUF(Physical Unclonable Function)技術」を利用したRFIDが内包されている。製品購入者は、NFC機能付きのAndroid端末に専用アプリをインストールし、「正規品判定シール」を読み取ると、読み取った情報がクラウド上のサーバーで照会され、正規品かどうかの判定結果がAndroid端末の画面上に表示される。
「正規品判定シール」に採用されるPUF技術搭載ICタグは凸版印刷が提供するもの。同技術はICチップで1つずつ異なる、製造上発生する固有の差異――いわば「ICチップの指紋」を利用しているため、「正規品判定シール」の偽造や複製はほぼ不可能という。ホログラムも貼付されているので、目視検査による正規品判定も同時に可能。これらにより、商品の入れ替え防止と高精度な正規品判定を実現できるとしている。
同システムは、キヤノンITSの中国現地法人である佳能信息系統(上海)有限公司と凸版印刷が共同で開発。すでに佳能(中国)有限公司(キヤノン中国)で実運用が始まっており、2013年9月現在では、一部デジタル一眼レフカメラの製品パッケージに適用されている。
キヤノンITSは、同様の課題を抱える日本企業向けにも、凸版印刷と連携して同システムを提供する。PUF技術を使用したRFIDを内包した封かんシールおよびその正規品判定処理を凸版印刷が提供し、Android上のアプリを含めたシステム全体の開発・販売をキヤノンITSが担当する。
価格は「正規品判定シール」1枚あたり80円~(システム利用料込み)。今後、CRMと連携したマーケティング機能など、スマートフォンアプリの機能を拡張していき、2017年には500億円の売り上げを目指す。