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復興庁、情報提供サービスのWebサイトをリニューアル
(2013/8/28 10:00)
復興庁が情報提供サービスのWebサイトをリニューアルし、8月から本格稼働した。
同庁のサイトでは、復興交付金制度や復興特区制度などの各種支援制度、被災自治体に派遣する職員やボランティアなどの募集といった、被災自治体および被災者向けの支援情報に加え、復興に向けたさまざまな取り組みを発信している。
既存のサイトで提供していたWebコンテンツを、旧データセンターから富士通FIPのデータセンターへ移行。今回の移行に合わせて、サイトの復旧・復興状況ページにおいて、被災地の利用者に向けた「医療・福祉・教育」、「産業・生業」などの新たな情報を追加。インフラなどの復旧状況の画像情報を掲載する。
また、「復興アルバム(住宅・公共インフラ)」として、岩手県、宮城県、福島県の被災3県を中心に、災害公営住宅の建設や防災集団移転促進事業が進められている地区の定点観測写真を掲載し、インフラなどの復旧状況を分かりやすく発信する。
さらに、「復興局からの復興だより」として、被災地における復旧・復興に向けた取り組みやイベントなどを紹介。現場の目線から、復旧・復興情報を、写真を活用しながら紹介していくという。
「復興への理解促進を図るために、写真や図表を活用した分かりやすい情報発信や、復興の加速化に伴い、これまで以上にタイムリーな情報発信が求められている。サイトの充実などにより、被災自治体や被災者の支援に活用できるものにすることで、復興の加速化に努めていく」という。
富士通グループのさまざまなシステム、ソリューションを活用
ここでは、富士通マーケティングが提供する「AZCLOUD IaaS」を活用するとともに、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)のWebコンテンツ管理システム「WebコアEnterprise(エンタープライズ)」を、富士通FIPのデータセンター環境上に構築。Webコンテンツ作成から管理、運用までサイト運営を効率化し、セキュアな環境での運用を実現。5月から運用を開始していた。
富士通マーケティングが提供する仮想プライベートクラウドサービス「AZCLOUD IaaS」は、富士通のデータセンター内にある大規模な仮想インフラを、必要な分だけ契約できる仮想プライベートクラウドサービスで、ユーザーごとの独立環境を用意し、閉域VPN回線により、ユーザーはデータを安心して預けることができる。「管理・運用負荷、コストを削減しながら、業務拡張に合わせて、段階的なクラウド環境への移行が可能となるのが特徴」としている。
また、富士通FIPが提供するクラウドサービスの「オンデマンド仮想環境ホスティング」では、情報セキュリティ格付け「AAAis」を取得した富士通グループのデータセンターを活用したサービスを提供。高い信頼性を確保しているほか、停電対策として、燃料備蓄量72時間分の自家発電設備に加え、複数の事業者と災害時燃料優先供給契約も締結しており、有事の際の事業継続性も実現している。
あわせて、各サーバーで個別運用していたものを、VMwareにより仮想化できることから、コストを抑えながらセキュリティを強化できるといった特徴を持つ。そのほか、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)を導入し、ネットワークレベルのみならずアプリケーションのレベルでの管理を行うことで、外部ネットワークからの不正アクセスを防御可能。さらに、サーバー侵入対策としてセキュアOS「SHieldWARE」を導入すれば、想定外の攻撃や標的型攻撃からもサーバーを守れるとしている。
一方、Webコンテンツ管理システムである富士通SSLの「WebコアEnterprise」は、あらかじめ用意されたテンプレートを活用することで簡単にサイトを作成でき、即時性のある情報発信を実現できるのが特徴。HTMLファイルや画像ファイル、PDFドキュメントなどのWebコンテンツを一元管理し、ブラウザのみで登録や運用を行える。
また、ページ作成から公開までの承認フローが柔軟に設定できることから、公開手順および責任の明確化にも対応する。さらに、アクセシビリティチェック機能を備えており、JIS X 8341-3:2010準拠のサイトを簡単に作成できる点も特徴だ。
今後は、富士通SSLが復興庁からの問い合わせ窓口となり、Webサービスのコンテンツやネットワークに関する運用から技術的な内容にいたるまでのサービス、富士通FIPと連携してワンストップで対応することになるという。
富士通マーケティングでは、「富士通グループのITやノウハウを活用。富士通SSL、富士通FIPとの連携により、3社が持つソリューション、サービス、技術力を組み合わせ、復興庁のシステムを、ワンストップでトータルサポートしていく。ネットワークインフラ構築、基盤整備や災害対策、事業継続などにおいて、グループ一丸となって、被災地における復興の加速化に貢献できるよう努めていく」としている。
なお、復興庁は、東日本大震災からの復興を目的として、内閣に設置された組織で、復興に関する国の施策の企画、調整および実施、被災自治体への一元的な窓口と支援などを担っている。また、被災地である岩手県、宮城県、福島県に復興局を、青森県と茨城県に事務所を置き、現地の相談や要望などにワンストップで対応している。