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経産省、文書の情報漏えいを防止する「活文 NAVIstaff」を導入

 株式会社日立ソリューションズ(以下、日立Sol)は17日、経済産業省(以下、経産省)が文書の情報漏えいを防止する「活文 NAVIstaff」を導入し、2013年2月に機密性の高い文書の印刷や閲覧者を制限するシステムを刷新したと発表した。経産省では約5700名の全職員に同システムを導入している。

 経産省では、職員が取り扱う文書を機密性に応じてレベル分けし、閲覧や印刷などのルールを策定して管理している。情報漏えいを防止するため、2005年度から機密性の高い文書の印刷や閲覧者を制限するシステムを運用していたが、セキュリティ設定の操作が簡便ではなく、利用者も一定職員に限定されていた。

 そこで文書の閲覧対象者を指定し、印刷・編集の可否などのポリシーを簡単に設定できるという「活文 NAVIstaff」を導入。システムのユーザビリティを向上するとともに、全職員が利用できるようにしたことで、機密性の高い文書においてシステムによる保護対象範囲を拡大した。また、PDF内に編集中のMicrosoft Office文書を格納してセキュリティを付与することで、編集中の文書も保護。加えて、ユーザー認証サーバーと連携し、保護および印刷した文書に時刻や氏名を透かし印字することで、職員のセキュリティ意識も向上させた。

 運用面では、これまで人事異動などに伴い、システム管理者が都度ポリシーを変更していたが、課室単位でポリシーを設定できるため、システム管理者の運用業務負荷を軽減できたという。

 導入においては、「活文 NAVIstaff」の標準機能を生かすことで、カスタマイズを抑えた。また、全省展開されているシンクライアント環境において、ユーザー認証の仕組みとシームレスに連携するとともに、これまでに作成した文書を継続して閲覧できるようにするため、旧システムの設定データを移行するなどしてシステムの刷新を図った。円滑に導入するため、日立Solから「活文 NAVIstaff」への操作説明会も実施した。

 今後、経産省ではさらなるセキュリティ強化のため、今回の閲覧者指定システムの利用範囲を省外の経産省職員へ拡大することも検討しているという。

(川島 弘之)