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日本IBM、分析対象データの拡充など図った「Cognos BI」新版

 日本IBMは12日、ビジネスインテリジェンス(BI)基盤を提供するソフト最新版「IBM Cognos Business Intelligence(以下、IBM Cognos BI) V10.2.1」を発表した。価格は1526万3535円(100名のWeb/モバイルレポート参照ユーザー)。

 最新版では、分析対象データの量・種類の拡充、分析結果の表示・表現の多様化、処理高速化のためのパフォーマンスアップなどを図った。

 ビッグデータの活用においては、Hadoop上にある多様かつ膨大なデータ、ならびにストリーム・コンピューティングによるリアルタイムデータとの連携を実現。Hadoopを構築するソフト製品「IBM InfoSphere BigInsights」、ならびにCloudera、Houstonworks、Amazon Elastic MapReduceなど、主要なHadoop基盤との連携が可能となった。これにより、分析の対象となるデータを増やし、より多様な深い洞察を実現する。

 表現の機能においては、ビッグデータを可視化し、より視覚的に表現するエンジン「RAVE(Rapidly Adaptive Visualization Engine)」を搭載。また、vizJSON(visualization JavaScript Object Notation:視覚化に関するJavaScriptの表記法)に対応しており、あらかじめ登録されているグラフ表記に加え、ユーザーによる新規のグラフやグラフ属性の柔軟な追加やカスタマイズが可能となった。これにより、業界別などさまざまなニーズに特化した表現や、Webとモバイルで差異のないインターフェイスなどが実現する。

 パフォーマンス面では、インメモリデータベース上のデータをBI分析のために呼び出して構成するための機能「Dynamic Cube」を拡張し、メモリ使用効率の最適化などによる処理の高速化を図った。特に「IBM DB2」の最新版(V10.5)が搭載する高速データ分析処理機能「BLUアクセラレーター」との連携により、従来のDB2(V10.1)との連携に比べ、分析のためのデータ読み込み速度は18倍、クリックしてから結果を表示するまでの応答時間は14倍高速になったとしている。

(川島 弘之)