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2012年の国内IT支出額、大企業は2.8%増、SMBは0.6%増~IDC予測

不透明な経済環境ながら堅調な伸び

 IDC Japan株式会社は20日、国内IT市場における産業分野別および企業規模別の2012年上半期分析と2012年~2016年市場規模予測を発表した。2012年は復興財政支出、金融緩和策、エコカー補助金などによって景気が浮揚し、国内IT市場も堅調な成長となる。

 2012年は電力不足、円高、欧米経済の不審などの影響で国内経済が不透明な状況だったが、経営体力の小さいSMB(中堅中小企業/999人以下)では、復興需要や政府の経済施策によって業績が回復する企業の増加が見込まれることから、2012年IT支出額は3兆5046億円(前年比成長率0.6%)とプラス成長を予測する。大企業(1000人以上)も、東日本大震災やその後の電力不足の影響を受けていたが、経営の早期立て直しにより6兆2869億円と比較的高いプラス成長を示すと予測。

 企業の各規模で見ると、2012年の小規模企業(1~99人)のIT支出額は1兆1025億円(前年比成長率0.2%)、中小企業(100~499人)は1兆5433億円(同0.5%)、中堅企業(500~999人)は8588億円(同1.3%)、大企業(1000人以上)は6兆2869億円(同2.8%)と予測している。

 IT業界では、クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術の4要素で構成される“第3のプラットフォーム”の時代に突入しているという。そのうちビッグデータについては、ユーザー企業の中では最も導入率が低い一方で多くが大きな価値を認識している。ただ、実際にどのデータを保存すべきか、どのように活用すればいいかなど、ビッグデータを活用するにしても試行錯誤の状態が続くと見る。このため、「ITベンダーは経営やマーケティングに価値を与える活用方法を導くコンサルティング機能を備えることが重要」としている。

(川島 弘之)