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日本マイクロソフト、パートナー6社とフラッシュメモリを利用したDBアプライアンスを提供
OLTPとDWHをサポート、Oracle Exadataに対抗へ
(2012/12/17 11:00)
日本マイクロソフト株式会社は17日、フラッシュメモリベースのデータベースアプライアンス「Microsoft SQL Server SSD Appliance」(以下、SSD Appliance)を発表した。SCSK、ソフトバンク・テクノロジー(SBT)、デル、東芝ソリューション、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)、日本ユニシスの6社とそれぞれ協業し、RDBMSの最新版「SQL Server 2012 Enterprise」と各社の取り扱いハードウェアを組み合わせ、ワンストップのアプライアンスとして提供する。
SSD Applianceは、すべてのデータ領域にフラッシュメモリストレージを利用したデータベースアプライアンス。I/Oを圧倒的に高速化できるフラッシュメモリ技術を生かすだけでなく、SQL Serverなどのソフトウェアとハードウェアを、日本マイクロソフトと各パートナーが事前検証・最適化しているため、ユーザーは複雑な構成設定などを行うことなく、すぐに導入して業務に活用できる。
ストレージの世界を一変させたとも言われるフラッシュメモリの良さ、つまり圧倒的な高速性は広く知られているところだが、HDDと比べると残念ながら価格が高価であること、そして容量が小さいことがネックとされてきた。しかし最新世代のフラッシュメモリ製品では、低価格化と大容量化が進んだことでデータベース全体をフラッシュメモリ上に格納することが可能になり、今回のアプライアンス化を実現している。
またSSD Applianceは、オンライントランザクション(OLTP)処理とデータウェアハウス(DWH)処理の双方で活用できる点も特徴だ。日本マイクロソフトではすでに、パートナーとの協業によるアプライアンス「SQL Server Fast Track DWH」(以下、Fast Track DWH)を提供しているが、これは名前の通りDWHに特化した製品で、今回、OLTPとDWHの双方に対応できる超高速アプライアンスを提供することにより、好調が伝えられる日本オラクルの「Oracle Exadata」に対抗したい考えという。
日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部 斎藤泰行部長は、「導入障壁を下げ、適切な価格で提供することにより、6社に対して一緒に市場を作って行こうと提案して、今回の製品化となった。特別なソフトウェアではなく、スタンダードなデータベースのSQL Serverで提供することにより、フラッシュメモリの恩恵をどの領域でも生かしてもらうことができる」と、この製品化に掛ける思いを語る。
さらに斎藤氏は、「競合となる製品は、1種類のハードウェアしか提供されていないことが多いが、お客さまには好みのハードウェアがあったり、特定メーカーとの保守契約をお持ちだったりすることもあって、選択肢を提供できる点が大事だ。そこが、パートナーと取り組んできた当社と他社との違いだ」と述べ、ハードウェアを含めて1社で提供している日本オラクルとのアプローチの違いを強調した。
なお価格面では、例えば、デルの「SQL Server SSD Appliance by DELL」ではFusion-IO 4.8TB+SSD 4.6TBの構成で1220万円から、日本HPの「SQL Server SSD Appliance by HP」が3TB(HP VMA3205)で1837万5000円から、SBTの「SQL Server SSD Appliance by Supermicro」が4.8TB(Fusion-IO)の2台セットで3150万円から、SCSKの「SQL Server SSD Appliance by SCSK&NEC」が6.6TB(Violin Memory)で4950万円から。
競合製品と1TBあたりの価格を比べた場合、他社は3000万円以上のコストがかかるのに対し、SSD Applianceでは、クラスタ構成で冗長化されている場合でも2020万円での提供が可能(SBTが取り扱う「by Supermicro」ベースの試算)とのことで、性能面では遜色(そんしょく)ない上に、価格面での優位性も提供できるとアピールしている。