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日本HP、インメモリDBなどに適した4ソケットサーバー「DL560 Gen9」

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は17日、インメモリデータベースによるビッグデータの取り扱いや、仮想化統合、HPCなどに向いたx86サーバー「HP ProLiant DL560 Gen9」「同 BL660c Gen9」を発表した。

HP ProLiant DL560 Gen9
HP ProLiant BL660c Gen9

 新製品はいずれも4ソケットのx86サーバーで、「DL560 Gen9」は2Uサイズのラック型、「BL660c Gen9」はブレードサーバー。これらは、インメモリデータベースなどで利用しやすいように、従来の2倍のメモリを搭載可能にしており、例えば「DL560 Gen9」では、前世代がDDR3メモリを最大1.5TB搭載できたのに対し、より高速なDDR4メモリを最大3TBまで搭載できる。

 また、「インメモリでデータを処理しつつ、それを補佐する形で高速なディスクは必要になる。高密度モデルはスペースの制約でディスク搭載量が少なくなりがちだが、それを拡大した」(エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 エンタープライズサーバービジネス開発の中井大士部長)とのことで、「BL660c Gen9」は内蔵ストレージを最大2基から4基に、「DL560 Gen9」では最大5基から24基に搭載量を拡大し、高速なNVMe SSDもサポートしている。

 価格は、「DL560 Gen9」が169万6000円(税別)から、「BL660c Gen9」が220万8000円(税別)から。

メモリやディスクの搭載量を拡充

 なお日本HPでは、かねてよりインメモリデータベースソリューションの提供に取り組んでおり、こうした新製品の提供はその一環だという。エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部の橘一徳統括本部長によれば、「2014年から15年にかけて、HPが担当しているインメモリデータベース案件の数が7倍になるなど、この分野の導入を検討しているお客さまの数は急速に増加している」ほど。

 導入事例でも、大型案件が出てくる一方で、やはりスモールスタートへの要求が増しているとのことで、橘統括本部長は、今回の新サーバーは、そうしたニーズに応えるための製品だと説明した。

エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部の橘一徳統括本部長
今回は、インメモリDBプラットフォームの小規模向けを拡充している

 一方では、簡単に導入可能なアプライアンス製品やリファレンスモデルへのニーズも高まっているそうで、今回は「HP ProLiant BL460c Gen9 SAP HANA TDI Compute Block」「同 DL380 Gen9 SAP HANA TDI Compute Block」をラインアップした。

 TDIとは「Tailored Data Center Integration」のことで、従来の、検証済みハードウェアにSAP HANAを事前設定した“アプライアンス”と異なり、任意のハードウェアでSAP HANAシステムを構成できるもの。より柔軟にハードウェアを構成できるため、最低限のハードウェア構成で必要十分な、開発環境での利用に適しているという。

 なお、今回発表された「DL560 Gen9」や、5月に発表された「DL580 Gen9」などを利用した最新のSAP HANA Appliance、Microsoft SQL Server SSD Applianceなども今後提供していく予定だ。

TDIモデルを投入する

石井 一志