インテル、HPC向けコプロセッサ「Xeon Phi」を2013年1月より順次提供
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インテル株式会社は13日、高い並列処理パフォーマンスを提供するHPC向けコプロセッサ「Xeon Phi」を発表した。最初の製品である「Xeon Phiコプロセッサー 5110P」(以下、Xeon Phi 5110P)が、2013年1月28日に提供開始される予定。
Xeon Phiは、「インテル メニー・インテグレーテッド・コア(MIC)」アーキテクチャに基づくHPC向けのコプロセッサ。PCI Express接続の拡張カード形態で提供され、「(最新のサーバー向けCPUである)Xeon E5との組み合わせにより、高い性能を提供する」という。
ラインアップとしては、Xeon Phi 5110Pのほか、「インテル Xeon Phiコプロセッサー 3100シリーズ」(以下、Xeon Phi 3100シリーズ)が用意される。最初の製品であるXeon Phi 5110Pは、コアあたり4つのスレッドを実行可能で、最大60のコアを搭載。デジタルコンテンツ制作やエネルギー採掘シミュレーションなど、さまざまなHPCのワークロードを対象に、1011ギガフロップス(GFLOPS)の倍精度演算性能を提供する。TDPは225W。
一方、2013年上半期の提供が予定されるXeon Phi 3100シリーズについては、まだ詳細な情報が公開されていないが、1000GFLOPS以上の倍精度演算性能を備えているとのことで、科学生命・ライフサイエンスアプリケーションや金融工学シミュレーションなど、演算処理中心のワークロードに最適としている。TDPは300W。
搭載製品はAcer、ASUS、Cray、Dell、富士通、日立、IBM、SGIなど50社以上のメーカーから提供される予定で、NECからは同日に、Xeon Phi 5110Pの搭載サーバーが発表されている。
なおXeon Phiは、IA向けに提供されている、ソフトウェア開発者が慣れ親しんだプログラミング言語、並列モデル、技術、開発ツールなどを活用可能。このため、独自規格、あるいはハードウェアに依存した特定のプログラミングモデルを新たに習得する必要がない点もメリットとのことで、インテルでは開発者を支援するために、Parallel Studio XEやCluster Studio XEなど、コードを最適化する開発ツールを提供している。