矢野経済研調査、大企業ではクラウドコンピューティング利用が1割超える

　矢野経済研究所は12月6日、クラウドコンピューティング利用に関する調査結果を発表した。日本国内の企業および自治体など452団体を対象に、2011年7月から10月にかけて、郵送によるアンケート調査を行った。

　調査結果によれば、プライベートクラウドを「利用中」と回答した団体は3.8％といまだ低水準に止まる。ただし、「検討中」が7,4％、「関心あり（情報収集段階）」が28.4％で、合計すると関心がある組織は39.6％と約4割にのぼる。

　IaaS、PaaSの利用率も2.5％に止まっているが、「検討中」4.5％、「関心あり（情報収集段階）」33.4％で合わせて40.4％が関心ありと回答している。

プライベートクラウドの関心および利用率	IaaS、PaaSの関心および利用率

　しかし、調査対象を売上高規模別で集計すると、売上高規模1000億円以上の大企業においては、プライベートクラウドの利用率は14.8％、IaaS/PaaS（ITベンダーのクラウド基盤）の利用率は11.1％とすでに1割を突破していることがわかった。これら大企業ではプライベートクラウド「検討中」が25.9％、IaaS、PaaS「検討中」が14.8％となり、プライベートクラウド導入に積極的な姿勢が見える。

　売上高規模500～1000億円未満以下の企業ではプライベートクラウド「検討中」11.6％、「関心あり」41.9％で、IaaS/PaaS「検討中」11.6％、「関心あり」44.2％で、具体的な検討段階に入っている企業は1割程度だが、高い関心が伺える。

　企業規模と比例して導入意欲が高い結果となっているが、規模が小さいほど、プライベートクラウドよりIaaS/PaaS導入への関心がプライベートクラウドへの関心をわずかながら上回る傾向が見られる。

売上規模別・クラウドコンピューティングの関心および利用率