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国内SDN市場は年38.5%増、NFV市場は年53.9%増の急成長を予測~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は29日、SDN(Software-Defined Network)およびNFV(Network Functions Virtualization)に関する国内市場予測を発表した。国内SDN市場は現実的な導入への歩みを始め、2015年の市場規模は201億円に達したとしている。

国内SDN市場 支出額予測:2014年~2020年(出展:IDC Japan)

 国内SDN市場のうち、最も先行してきたデータセンターSDN市場では、商用環境や本番環境への導入が進み、2015年の市場規模は121億7900万円に達した。適切な適用先を発見しつつあるデータセンターSDN市場は、導入顧客や規模の拡大、ソリューションの進化と共に適用領域が広がり、2015年~2020年の年間平均成長率は38.5%と高い成長を続けると予測している。

 国内NFV市場についても、2016年以降、本格的な立ち上がりが見込まれ、国内大手通信事業者で商用展開が始まっているように、モバイルコアの仮想化がNFV市場の先導役になると分析。2015年~2020年の年間平均成長率は53.9%で、特に2020年にサービス開始が予定されている5Gサービスを見据えた設備投資が始まる2019年頃に成長が再加速すると予測している。

 企業ネットワークSDN市場においては、シスコシステムズやアライドテレシスなどが、企業ネットワークを対象としたSDN関連ソリューションの展開を本格化させており、潜在的な成長可能性を持っていると分析。企業ネットワークSDN市場の2015年~2020年の年間平均成長率は41.6%と予測している。

 IDC Japanコミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、「通信事業者向けベンダーはNFV化に積極的に取り組むべきである。汎用プラットフォームでは通信事業者が求める性能や信頼性を担保できないといった、仮想化に取り組まない理由はいったん捨てるべきである。汎用プラットフォームをどれだけ有効に活用できるかが、これからのベンダー間の成否を分けるポイントになる」と述べている。

三柳 英樹