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データ・テックのIoTインフラ基盤にIBM SoftLayerが採用

車載機データを保管・解析し安全運点を支援

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、データ・テック株式会社が本年8月1日よりサービスを開始した「SR-WEB解析システム」に、IBM SoftLayerが採用されたと発表した。SoftLayer環境上で機能するデータベース部分の設計・構築は、クリエーションライン株式会社が支援している。

 データ・テックでは主力商品として、自動車の運行データを自動的に記録するセイフティレコーダ(SR)という車載機器を提供しており、1日の乗務を終えたドライバーが、車載機のデータを営業所のPCに読み込ませ、データ解析ソフト「安全の達人」で運行チャート、乗務日報、指導書といった運行管理者向けのレポートや運転診断結果のレポートを作成している。しかし、読み取りや分析を行うドライバーが集中するとPCが不足し、待ち時間が発生してしまうといった課題があり、データを自動的に送信、保管、解析できるシステムが求められていた。

 こうした課題解決のために、新たに開始する「SR-WEB解析システム」では、自動車の運行データである位置情報や運転結果を、通常時で10分に1回、車載機からインターネット経由でSoftLayerに自動送信・保管し、データ解析を行う仕組みを用意した。

 解析結果や運転診断レポートはWeb経由で表示・印刷できるため、営業所以外のPCでも利用可能。これにより、ドライバーの負荷を削減できるだけでなく、管理部門でも解析結果を閲覧しやすくなることから、より一層の効率的な配車や安全運転を支援するとのこと。さらにデータ・テックでは、車載機から得られるデータを解析し、安全運転分野以外への活用も検討していく考えだ。

 なお、当初は5000台の同時接続を想定し、ピーク時でもデータの受け取りや解析がスムーズに実行できるように設計された。またシステム強化のため負荷分散(ロードバランシング)や確実なバックアップ体制の整備などを実施し、システムを構築した。データセンターは、SoftLayer東京データセンターを利用する。

 SoftLayerが評価された理由としては、APIの連携がしやすいこと、仮想マシンにおいて高いパフォーマンスが出ること、ネットワーク品質がよいこと、性能や価格が明確に提示されているため業務拡張に合わせたコスト試算が容易で管理しやすいことなどが挙げられている。

石井 一志