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シトリックス、Citrix Workspace Suiteを構成する主要製品をアップデート

 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(以下、シトリックス)は30日、モバイル向けの統合ソリューション「Citrix Workspace Suite」において、主要コンポーネント製品であるXenApp/XenDesktop 7.6への機能追加と、XenMobile、ShareFileなどの機能強化を行うと発表した。

 Workspace Suiteは、シトリックスが持つモバイル向け製品を組み合わせ、スイート化したソリューション。モバイル環境でアプリケーション/デスクトップ環境を利用可能にするXenAppやXenDesktop、企業向けモバイル環境の統合管理製品であるXenMobile、ファイル共有サービスのShareFileや、それらを支えるインフラとしてのXenServerやCloudBridge、NetScaler Gateway、CloudBridgeなど、さまざまな製品・サービスから構成されている。

 今回、XenApp/XenDesktop 7.6に対してFeature Pack 2を6月30日より提供開始し、さまざまな新機能を追加した。

 まず、ReceiverおよびStoreFront 3.0では、XenApp/XenDektopに加え、XenMobileのクライアントであるWorx Homeを統合。ユーザーのワークスペースへの共通の入り口として進化させた。また、ユーザー企業によるカスタマイズ可能領域が増えたことで、より完成度の高い包括的な企業向けアプリケーションストアが提供可能。新しいルック&フィールにより、総合的なユーザー体験を向上させている。

 加えて、2014年1月に買収したFramehawkの技術を統合し、遅延やパケットロスが大きい、不安定なモバイルネットワーク下での画面転送パフォーマンスを大幅に向上した。従来からのHDX/ICAと今回追加されたFramehawkの機能を、状況に応じて柔軟に切り替えることで、常に最適なパフォーマンスが利用できるという。

 このほか、SUSE、Red Hatの両Linux OSに対応し、Windowsデスクトップ/アプリケーションの配信と同じ仕組みで、Linux業務アプリケーションおよびデスクトップをセキュアにリモート接続できるようになった。

 XenApp/XenDesktop 7.6 Feature Pack 2は、いずれも、現在利用中のユーザーで、有効なサブスクリプションアドバンテージまたはソフトウェアメンテナンスを有している場合、無償でダウンロードして利用できる。

XenMobileとShareFileの新機能

 XenMobileでは、ビジネスに最適化されたセキュアなモバイルアプリケーション「WorxTasks」と「Citrix for Salesforce」を提供する。前者は、Microsoft Outlookのタスクと統合され、ユーザーはWindowsデスクトップとモバイルデバイス間で、シームレスにTO-DOリストを追跡、管理、編集できるという。一方後者は、XenMobileセキュアコンテナ内で動作する、Salesforceのモバイルアプリケーションで、モバイルデバイスに最適化されたインターフェイスを利用し、安全にSalesforceへのアクセスを行えるとのこと。

 ShareFileでは、ShareFileの利用可能範囲を社内LANに限定した上で、社外とのファイル共有範囲を柔軟に制限できる「Restricted StorageZones」機能の提供を開始した。

 またシトリックスは、iOSデバイス上でWindowsアプリケーションおよびデスクトップに対応したモバイルユーザーエクスペリエンスを提供するマウスソリューション「Citrix X1 Mouse」を、日本国内で6月29日から提供開始した。XenAppおよびXenDesktopを最適化するように設計されており、タッチインターフェイスのみのiOSデバイスでマウス操作が可能になる。価格は7800円(税別)。

 なお同社では、同社製品のユーザーには最大70%、他社からの移行ユーザーには最大50%の特別割引価格でWorkspace Suiteを提供する移行キャンペーンを、9月末まで展開している。あわせて7月1日からは、12月24日までにWorkspace Suiteをはじめとする対象製品を購入したユーザー(先着50社)に対し、Citrix X1 Mouseをプレゼントする「トライ! X1マウスキャンペーン」も実施するとのことだ。

石井 一志