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ローソンがAWS全面採用、本部・店舗システムを順次移行へ

 株式会社ローソンは、業務システムをクラウドへ全面移行する。AWS(アマゾンウェブサービス)を採用し、株式会社日立ソリューションズ(日立Sol)が導入を支援。2014年11月から開発環境での運用を開始し、2015年6月から本番稼働を開始する予定。

 ローソンは、さらなる「お客様起点」の店舗作りをめざし、SCM(サプライチェーンマネジメント)とCRM(顧客関係管理)を融合した次世代システムをクラウド上に構築し、本部システムから店舗系システムまで順次移行する方針を発表している。

 本格的なクラウド活用の第一歩として、AWSを利用したシステムの設計・構築・運用をワンストップに手がける日立Solとともに、ビジネスモデルや業務に適したシステム基盤の設計・構築を推進することとなった。

 日立Solは、クラウド基盤の設計に際して、AWSのメリットを生かしながら既存システムとシームレスに連携するシステム構築を実現できるように「標準化」を進め、部品の組み合わせなどを「ルール化」することで、システム基盤の短期間での立ち上げを可能にしたという。

 また、「Amazon Web Servicesのための運用支援サービス」も適用。日立Solが独自に開発したモジュールを中核に、AWSを利用したシステムを運用監視するサービスで、Amazon EC2内のエージェントがメールなどで管理者にエラーやトラブルを通知する。オンプレミスの既存運用基盤と連携してAWS上のジョブ管理や稼働状況の確認を行うことも可能となる。

 これによりローソンでは、AWS上のシステム構成やネットワーク構成を意識せずに、既存運用基盤からAWS上のジョブ実行や監視を行う環境を実現。既存システムとAWSのハイブリッドな基盤運用を実現したという。

 セキュリティ面においては、トレンドマイクロの総合サーバーセキュリティ対策製品「Deep Security」を導入。複数のセキュリティ機能による多層的な防御を実装する同製品により、セキュリティ強度が高い運用基盤を構築した。仮想サーバーの増加に応じてあらかじめ設定したセキュリティポリシーを自動適用する機能を備えるため、クラウドサービスの可用性を損なわずにセキュリティ運用を実現したという。

 本番稼働は6月から。まずは3つの業務システムから稼働する予定。ローソンの情報システム部門は、社内の運用体制を変えることなく、既存の運用基盤とAWS上のシステム基盤の両方を運用できる環境を整えている。また、新規サービスの立ち上げに際しても、基盤設計の標準化によって準備期間を大幅に短縮できるようになったとしている。

川島 弘之