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ラサ商事、基幹システムのDR環境を短期間・低コストで構築~AWSクラウドを利用

 株式会社日立ソリューションズ(日立Sol)は27日、ラサ商事株式会社が、Amazon Web Services(AWS)のクラウド環境上に、基幹システムのDR(ディザスタリカバリ)サイトを3カ月間で構築したと発表した。このシステムは4月より本稼働を開始している。

 ラサ商事は、資源・金属素材や産機・建機関連などを手掛ける専門商社。同社ではこれまで、BC/DR(事業継続/災害復旧)対策として、夜間にバックアップデータを外部記憶装置に保管するとともに、遠隔地のサーバーへ転送していた。しかし、記憶装置の老朽や枯渇による装置のリプレースに加え、廃棄、装置故障のような障害時の対応など保管・管理による運用コストがかかることや、システム復旧に時間を要することが課題になっていたという。

 そこで同社では、DRサイトの導入を決定。クラウドストレージ(Amazon S3)と接続するための「AWS Storage Gateway」サービスを適用した非同期データ転送基盤を、オンプレミス環境に導入し、当時のバックアップ運用と同等の環境を実現したとのこと。

 データ転送では、AWS Storage Gatewayサービスの機能により、Amazon S3上のバックアップとの差分だけを送れば済むため、転送するデータ量を抑えられ、専用回線を必要としない、インターネット回線によるバックアップデータの別地保管を実現した。

 また基幹システムの災害対策として、オンプレミス環境が被災した際の事業継続を実現するため、Amazon EC2上にDRサイトを構築している。この移行時は、オンプレミス環境で稼働している、AWS上の適用範囲を超えた古いバージョンのソフトウェアを、VM Import/Export機能を利用することでAWS上へ移行できたとのこと。

 ラサ商事では、新しい環境によって、バックアップデータを保管する記憶装置の維持管理が不要になり、バックアップ運用作業が軽減。BC/DR対策の運用コストと作業負荷の軽減を実現した。同社は、オンプレミス環境への導入と比べ、ITインフラ基盤への投資費用を約40%抑えられると試算している。

石井 一志